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見知らぬ男の腕を掴んで制止する。
この世界にまだ知らない人間がいたことに、頭は混乱していた。
身体に衝撃が走り、蹴り飛ばされた事を自覚する。
そして私の上に男は馬乗りになった。
「俺のことを他の奴らに言ったら、仲間全員でお前らのことを潰しに行く。絶対に誰にも言わないって約束しろ」
「わ、わかった。誰にも言わない!だからやめて下さい、なにも、しないで」
恐怖の感情に包まれて、身体の震えが制御できない。
トラウマとはこういうことか、
息が荒くなるのを感じた。
「ただこっちも情報は欲しい、お前をどうするかは相談して決める。また明日同じ時間にここに来い。お前を使うかどうかはその時に伝える」
「わかりました、だから、離れて下さい」
その金髪男は私から離れて、辺りを警戒しながら走り去って行った。
それからどのくらい経ったか、
身体に力が入り、呼吸が整うまでだいぶ時間を要した。
まだ身体はこんなにも覚えているんだ。
あの恐怖を、苦しみを、
馬乗りになられた時の、身体の重み感触がまるで同じで、吐き気がするほどに気分が悪い。
いつになったら解放されるの、変わらない自分に腹がたつ。
とりあえずあの男の言う通りにしなきゃ、
仲間と襲うと言っていた。
誰かが犠牲になってしまう。
それだけは避けなきゃ、
擦り傷だらけになった身体を労わりながら、私は電車に戻った。
「富士山?」
白浜さん達水汲み部隊が戻ると、白浜さんが登った崖の上から、大きく富士山が見えて他には何も無かったという写真を皆に見せている。
私は輪の中に交わらず、椅子に座りただ黙り込んでいた。
気を抜くと震え出しそうな手をぎゅっと握りしめて、
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3人の隊長と座長の剣士@自由浮上自由返信(プロフ) - 藍さん» いえいえ、こちらこそ迅速な対応をありがとうございます!占ツクライフ、楽しんでくださいね! (7月15日 20時) (レス) id: da35f6fb87 (このIDを非表示/違反報告)
3人の隊長と座長の剣士@自由浮上自由返信(プロフ) - 失礼します…!実在する方を小説に出す場合はオ.リ.フ.ラを外した方が良いですよ!また、nmmn(実在する人物を題材にした二次創作)ではご本人様の目につかないよう、伏せ字や検索避け(長くなってしまうので、お手数ですが詳細はご自身でお調べください)などをしましょう! (7月15日 16時) (レス) id: 6196f83925 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藍 | 作成日時:2023年7月12日 11時