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久しぶりの朝の空気を感じて、気持ちよさと同時になんとも言えない虚無感に包まれる。
今日私は大好きだった養護教諭の職を失う。
いつもの通勤の電車に乗って職場である高校に向かうのも今日が最後。
見知った顔がちらほらいる車両の中、明日からここに私の居場所はなくなる。
今この車両の中で1番の不幸人間は紛れもなく私だろう。
なんで解雇を言い渡されるのにわざわざ学校に行かなきゃいけないんだろう。
昨日までは来るなと拒絶され続けてきたのに、最後の最後まで学校は私を裏切り続ける。
でももう苦手になってしまったこの空間に身を置くことがないと思うと、それはそれでどこかほっとしている。
あの件以来人と近付くのは怖い。
特に若い男の人のそばにいると、身体に勝手に力がこもる。
情けない、こんな弱い私は嫌い。
人の気配をシャットダウンしたくて、ぎゅっと目を瞑り早く着いてくれと頭で唱えていたその時、
けたたましい音が車内に響き渡った。
自分のスマホからだと画面を見ると
「緊急地震速報?」
その瞬間激しい揺れを立て続けに感じ、身体が持ってかれそうになるのを必死に堪える。
あちこちで悲鳴にも似た叫び声があがっていた。
私は咄嗟に手すりに捕まり身を守りながら、恐怖の中で自分の運命を呪った。
天災すら追い討ちをかけてくるのか。
神様なんてやっぱりいない。
いたら私の人生だけフェアじゃなさすぎるでしょ。
何故か無性に腹が立ったその時、今までとは違う強い衝撃に抗えずそこで意識を手放した。
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3人の隊長と座長の剣士@自由浮上自由返信(プロフ) - 藍さん» いえいえ、こちらこそ迅速な対応をありがとうございます!占ツクライフ、楽しんでくださいね! (7月15日 20時) (レス) id: da35f6fb87 (このIDを非表示/違反報告)
3人の隊長と座長の剣士@自由浮上自由返信(プロフ) - 失礼します…!実在する方を小説に出す場合はオ.リ.フ.ラを外した方が良いですよ!また、nmmn(実在する人物を題材にした二次創作)ではご本人様の目につかないよう、伏せ字や検索避け(長くなってしまうので、お手数ですが詳細はご自身でお調べください)などをしましょう! (7月15日 16時) (レス) id: 6196f83925 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藍 | 作成日時:2023年7月12日 11時