9話 ページ9
私たちは飛行機の材料になる物を探し集めた
私はしゃがんで地面を見つめ、彼はふらふらを歩き回る
『ねえ、これどう?』
拾ったビンを彼に見せる
TH「ううん、それは使えないよ」
『そうなの?』
TH「もっと、こう、燃料の代わりになるものでなきゃ」
“ねんりょう”…?
『ねんりょうってなあに』
TH「飛行機を動かすためにとっても大事なものなんだ」
彼からの説明を聞いてもよく理解ができなかった
もう一度聞くのもちょっとなあ
彼から目を背け、また材料を探し始める
TH「ねえ、」
『ん〜?』
テヒョンの問いかけに声だけで反応する
TH「実は僕、いじめられてたんだ」
小さく呟いた彼にそっと目を向ける
こんなにキラキラした人なのになんでだろう
TH「“宇宙まで飛ぶ飛行機を作る”って言ってバカにされてた、
できるわけないって。宇宙にはなにもないのになんで行く必要があるんだ、
狂ってる、とも言われた」
『…そう』
TH「でも僕は間違ってなかったんだね、ひひ!」
一瞬悲しそうな顔を見せたテヒョン。
愛する家族がいても
私と同じ、ひとりぼっちだったのかな?
TH「ここにいたら誰にも文句を言われないね、w」
彼は私の隣にしゃがんで不器用に微笑む
TH「地球になんて帰らないでいっそのこと
Aと、ずっとここにいようかな〜?w」
そうやって笑って隠していたのかないつも。
どうしたら良いのかわからなくて慰める言葉が見つからない
『テヒョン、そのままでも十分素敵だよ』
うん、そう
それだけなの。
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作者名:ゆある | 作成日時:2021年9月25日 18時