毒林檎に甘いカクテルを。 -Daiki.A- 【完結】

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店に着くと同時に
大ちゃんがドアを開けて入ろうとしている姿を見かけた








「大ちゃん」



大貴「はいっ！……て、Aか」



「なにそれ」



大貴「ん？ 営業スマイル」









なんだ、そんな可愛らしい純粋そうな顔浮かべて
ファンの子と話すのか

と、さすが芸能人と感心しつつ

中へ進む足取りは重くて仕方なかった







普通に考えてみなよ



自分の好きな人と、その人の好きな人と同じ空間でお酒飲むなんて
もはや、修羅場だから









由紀「いらっしゃーい」









由紀は特に気に止めるわけでもなく
わたしにも、おそらく大ちゃんにも
それとなく普通に接してくれてる



今日は、キツめのがいいなと思っていたら








由紀「ふふっ、テキーラで割っちゃった♡」








と、屈託なく微笑みながら
わたしの心の内を読んだ由紀に感謝する


久しぶりのテキーラは
最初、軽くめまいがしたけど

刺激のあるそれは、飲みやすいようにさっぱりとしていて
グイグイと喉を潤した









由紀「タピオカ！？」



大貴「はい！ タピオカバイ菌です！、じゃなくて、有岡大貴な！」









仲良さげに話し合うふたりは
息がぴったりだな〜と思いながら
ただただ傍観してた



由紀は気取らない性格で
話上手、聞き上手で
そりゃあ大ちゃんだって、本気で好きになるわ

と


落胆してしまう









大貴「………ここから近いし『フィラ』ってとこ、エントランスでな」









軽く耳打ちをした彼は
先に店をあとにした









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