毒林檎に甘いカクテルを。 -Daiki.A- 【完結】

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すぅ……すぅ………







耳

穏やかな、呼吸音








ゴソッ………


ふわり。







鼻

柔らかくて、爽やかな匂い








とんっ……







触

人肌の、安心するような心地いい温かさと重み









そして…







目

視覚いっぱいに広がる、本当はこんなとこにいてはいけない筈の
子供っぽい、無防備な顔









「…大…ちゃん」









はぁ…と、一人ため息をつく。


きっと、写真だけで見れば、高級そうなホテルの一室

それを手のひらを返したかのように覆すのが

ベッドの頭元にある、いくつかの避妊具。








「なに、してんだろ」








丸めて捨てられたそれ(・・)は、一つだけならまだ可愛らしいものの

ふたつもみっつも、余裕でゴミ箱の中に存在していた









大貴「んんん……」








仕事で身体が疲れているのか

はたまた、行為で身体が疲れているのか

そんなことを疑っちゃう始末だけど








明らかに過ちを犯したのは事実









ほんの少し魔が差したんだって言えば
聞こえがいいだろうか？








決して振り向いてくれることのない相手に
一目惚れして


TVの前だけでは知ることの出来ない
彼の素顔の優しさを知って







彼の動きを身体が覚えて。









もう、後戻りなんてできなかった。









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