7日間の別世界 #2 【完結】

5日目 ＊5-1 ページ9

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＊5日目









ぱちんっ








何かに弾かれたかのようにまぶたが開く
身体は重くだるい


だけど1つ
わたしを温かく包む存在








最初に抱かれたときとは打って変わった体温

あんなに熱かったのに
今は囁かな温かさを放っていて
そっとわたしを包容する





きゅっと、その細い腕がわたしに巻きついていた









「……光」









昨夜、どのタイミングで眠ったのだろうか？


気がつけばここにいて
でも、とても重大なあの言葉だけは頭からこびり付いて離れない









"あと、3日もすれば、死ぬ"









光は、死んでしまう









わたしを、









わたしを、"轢き殺した犯人"のために。









目の前で眠るその表情は心なしか今は安らかに見える

それが彼の運命を辿っているのかどうかは分からないけど。


ただ、あと数日もすれば散ってしまう彼の存在がどうしても信じられなくて
そっとその顔に指先を触れさせる




すっと透き通った彼の肌
微かに伝わる呼吸が、ほんの少しわたしを安心させてくれる









光「……ん、？」



「あ………」



光「………なーに、してんの？」









イタズラが見つかった子どものような感覚

少し意地悪な笑みを浮かべた光だったけど
触れられた手を払うことなく
そのまままた、気持ちよさそうに目を細めた









「……光」




光「ん？」









もうなんとなく分かってる

過去には戻れないんだって。


嘘だって言ってほしいけど
そんなのは不可能だから。






ねぇ、だからせめて。









「おはよう、光」









あと2日、貴方と過ごせる時間を大切にしておきたい









光「うん、おはよう」









光「……A」









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