プリモアモーレ【黒尾鉄朗】

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「やっほ、研磨くん」

「あ、Aさん。……やっほ」



委員会の集まりに行くと、おともだちの研磨くんがいた。黒髪の間から覗く目が本当に「あ」という色をしていて、彼なりに嬉しがってくれているのだと気づく。



「あれ、委員会とかは絶対しないって言ってなかった？」

「…話し合いの時寝てたら勝手になってた」

「そりゃ災難だったね……」




中学の時も美化委員をしていて、死にそうな顔をしながら仕事をしていたので話しかけたら仲良くなった研磨くん。

黒尾の幼馴染だということを知ったのも高校に入った後で、一度も関わりのなかった黒尾鉄朗という人も音駒高校に進むと知ったのもその後だった。一見関わりのなさそうな2人だったからすごく意外に思ったのを覚えてる。




「よりによってクラス2人じゃなくて1人の委員会だしね」




隣お邪魔するね、というと、研磨くんはコクンと頷いた。

まだ来てないクラスが多いみたいで、その間におしゃべりでもしておこう、と思って身体を横に向ける。





「研磨くん」

「なに？」

「高校最初の体育祭は何ブロックになったの？」

「えっとー…なんだっけ」

「え、それ結構大事なとこだよ」

「……クロと一緒なのは覚えてるんだけど」

「ああ、じゃあ赤か！黒尾と一緒でよかったね」






なんとなく2人とも赤っぽい、と心の中で納得して、黒尾がいたら引っ込み思案な研磨くんも「心強いね」と微笑む。

すると研磨くんが口角が上がったままの私の顔をじっと見つめて、「………Aさんもいたらもっと心強かったけどね」なんてぼそりと呟くから、口には出さないけどやっぱり彼は可愛い後輩だなと思う。














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