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腰を下ろしたのは校舎裏の階段だった。
避けようもない日照りの中にいたグラウンドとは違って、校舎の影がひんやりと体を冷やす。
隣で「走らせてごめんな…」と正面に向き直ろうとする黒尾。…を、がっちり腕を掴んで止めた。
「……え、なんすかこの手は」
「…………私今めっちゃ汗かいてるから、こっち見ないで」
「それ言い出したら俺も汗かいてるしなんなら臭いですよ」
「黒尾は臭くないよ私が臭いの」
歩幅は完全に私に合わせてくれていたとは言え、照りつけていた日差しにたらたら汗をかいてるのがわかる。絶対顔テカってるし、髪も絶対ボサボサだしそんなの黒尾に見せたくないよ。
そんなこと気にしてる場合じゃない、と言われればそれまでだけれど、ここまで黒尾が連れてきてくれたんだから、自分がいいと思える自分でちゃんと伝えたい。
そっぽ向いたまま黒尾を止めようとしていると、ひゅっと躱されてその両手で私の頬を挟んだ。
「……く、くろお。汗ついちゃうよ」
「気にしない。Aがどんな顔してるかとかどんなふうに思われるかとか気にしてても、…俺は気にしないから」
だからこっち向けって。
じっと向き合ったままそんなことを言うから、ぽぽぽと顔に熱が集まるのが分かった。涼しい影の中にいても上がる体温が、それが外の暑さのせいじゃないことを知らせる。
その体制のまま、時間が止まってるみたいだった。
遠くから聞こえてくる応援の声とか、集合を呼びかけるアナウンス。周りで木の葉が風に靡いてるのも含めて、世界に黒尾と私だけみたいな気分だった。
一度目線を外してまた戻した後、
黒尾がなんとなく照れたように、仕方なさそうに、だけど愛おしそうな眼をしてふは、と笑うから、
「あのね、黒尾」
あなたに私から、先に伝えさせてほしいことがある。
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黒尾ファン - わああああああああかっこよすぎます!！もう大好きです。惚れましたこのような作品を作ってくださりありがとうございました感謝しかありませんこれからもがんばってください (3月26日 21時) (
レス) @page26 id: 13c9948002 (このIDを非表示/違反報告)
氷咲＠氷珀(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します。ずっと気になっていた作品でやっと読破したのですが、めちゃくちゃ癖に刺さりました！言葉のセンスとか、文体とか、会話の間から本人たちの温度の表現まで、コメ欄250文字では表せないくらい最高でした！完結おめでとうございます✿ (3月8日 12時) (レス) @page25 id: b0b4af51b9 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 完結おめでとうございます！毎話ずっと少女漫画を読んでるようなトキメキをくださる作品で、本当に大好きです…（泣）アナザー楽しみにしております、一先ずはお疲れ様でした…！！ (3月7日 21時) (レス) @page25 id: a2759a36ff (このIDを非表示/違反報告)
坂崎(プロフ) - 執筆お疲れ様でした…！普段めったにコメントすることはないのですが、お話の運び方や表現の仕方がとっっっっても胸に刺さってもっと黒尾さんが好きになりました（；＿；）本当にこの作品に出会えて良かったです…！次回作も楽しみにしております！🖤 (3月7日 18時) (レス) @page25 id: db3faabed6 (このIDを非表示/違反報告)
暁☆(プロフ) - 完結おめでとうございます！毎話ドキドキしながら読んでいました💕 かっこいい黒尾さんをありがとうございます！アナザーストーリーも楽しみにしています✨ (3月7日 10時) (レス) @page25 id: f3c28010ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パルム | 作成日時：2024年2月16日 22時
