桜前線 1【GO】 (ページ7)

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7　転生したら中学生だった件ページ7

目を覚ますと、数人が周りを囲んでいた。皆同じ黄色のユニフォームを着ていたが、その中の一人だけ青い制服を着ている少年がいた。その少年・神童くんに自分が佐倉Aだと伝えると、彼はとても驚いた。彼らの話によると、私は空から降ってきたらしい。神童くんが現れた時と同じ現象が起こっていた。ここは稲妻町という場所らしく、神童くんは無事に元の家へ戻れたとのことだった。良かった。今度は私が帰れなくなってしまったけど。

「驚きました。またAさんと会えるなんて」
「私もびっくりしたよ。神童くんはいつ戻れたの？」
「Aさんが仕事に行った後の昼ごろです。同じ頭の痛みがあって、気づけば家に戻っていました」
「そうなんだ。不思議だなあ」

街灯が照らす夜道を並んで歩く。並木の下には桜の花弁が絨毯のように散らばっていた。前に比べて、視界が地面と距離が近い。

「なんか背縮んだ気がする」
「背だけじゃなくて、全体的に幼くなりましたね。俺と同じくらいの歳に見えます」
「神童くんと同じ歳か。なんだか新鮮だなー」

神童くんは歩幅を合わせて歩いてくれている。優しい。ふと振り向くと、神童くんは歩みを止めて斜め後ろで立っていた。表情が暗い。

「今日、退部届を出してきました」

突然の報告に言葉を失う。

「サッカー部、辞めたんだ。後悔はないの？」
「ないと言えば嘘になります。でも、もう俺はついていけません」

おそらくさっきの人たちはサッカー部の人たちで、神童くんが退部したことも知っているんだろう。それでも、引き留める空気はなかった。茶髪天パの子は引き留めていたけど。

「悩んでその結論に辿り着いたんだよね。神童くんが自分で決めた事なんだもん、良いと思うよ」
「...はい」

そして到着した家は、予想外の大豪邸だった。