桜前線 1【GO】 (ページ39)

今日:19 hit、昨日:74 hit、合計:4,076 hit

39　vs 海王学園ページ39

試合当日、ホーリーロードスタジアムにて。関東Aブロック地区予選決勝戦。相手は海王学園。事前に全員がシードだとは判明している。シードがどれだけ凄いのかは、正直イマイチよくわかっていない。元シードだという剣城くんが凄いのは知ってるけども。試合が始まると、倉間くんが必殺シュートを打った。あんな必殺技もってたんだ。奪われたボールを奪取し返したのは天馬くん。周囲には旋風を纏い、相手を吹き飛ばす威力がある。その勢いを保って剣城くんがシュートをし、同点に持ち込んだ。

ところで、ベンチのマネージャーの二人の個性が結構濃い件。ｶｼｬｶｼｬｶｼｬｶｼｬ！！と凄まじい連写音が近くで鳴り、熱血ヤンキーガールがいけいけGOGOコールをしている。

「シン様...凛々しい♡」
「天馬いけーっ！！ぶちかませーっ！！！！」

1年のマネージャーの子は、せっせとマネージャー業に励んでいる。負担の偏りすごそう。私はというと、試合の動きをベンチから眺めて選手たちの動きを観察していた。やはりここの位置からだと、一人一人がよく見える。全体の動きは後で録画で確認するとしよう。隣には先ほど加入したばかりの選手たちが座っている。二人は元々サッカー部の選手だったらしい。ベンチスタートだ。彼らの加入時に神童くんが言っていた言葉がふと蘇る。

『本当の革命は、俺たちのサッカーを見た人がサッカーの素晴らしさを思い出して、それを取り戻すために立ち上がってくれることじゃないかって』

あの言葉は胸に響いた。革命の本質を皆に問いかけるその姿はまさにチームのリーダー。キャプテンとしての器量を感じた。

海王は野心のある力強いプレーで雷門に立ちはだかる。試合の途中で監督は驚きの采配をした。なんと天馬くんがキーパーとなり、選手の間に動揺が広がる。天馬くんはキーパー未経験。皆が戸惑うのも無理はない。そんな不安を吹き飛ばすかのように、天馬くんは化身を出して見事ゴールを守ってみせた。監督曰く、天馬くんをキーパーにした狙いは、ボールを正面から受け止めさせて能力を引き出すことだったらしい。その後雷門は勢いづき、見事勝利した。

40　不意打ち→←38　毎週水曜日のサッカーは特別

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
 他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って！｜面白い！→ )