桜前線 1【GO】 (ページ35)

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35　マネージャー、なりますページ35

部活が終わると、全員が集合した。まだ自己紹介してないけど、早速皆から注目されている。特に神童くんや天馬くんからはガン見されている。その視線の圧に耐えきれず、目を逸らして正面を向いた。

「今日の練習を終了する前に、紹介したい奴がいる。2年の佐倉だ。マネージャー希望で、今日仮入部した。じゃあ、改めて自己紹介してくれるか」
「マネージャー希望の佐倉Aです。サッカー勉強中です。よろしくお願いします」
「以上！解散！」

解散するなり、一気に選手に囲まれる。

「先輩！サッカー部入るんですか！？」
「先輩が入部してくれて、僕、嬉しいです！」
「転校生ちゃん入部すんの!? マジ!?!」
「あくまで仮だよ」

浜野くんのもとには、丸メガネをかけた少年が近寄る。

「知り合いですか？」
「うん。同じクラス。速水も見たっしょ。転校生ちゃんが空から落ちてきたところ」
「ああ、あの…。そりゃ覚えてますよ。すごい光景でしたから」

そんなにすごい光景だったんだ。そのあたりの記憶が全然ない。どうやら、この前倉間くんが言ってた『サッカー部で話題になってる』というのは間違いないらしい。帰り道、神童くんや霧野くんと話した。

「どうして急にマネージャーなんて」
「驚いた？」
「驚きますよ」
「サッカーのこともっと知りたくなったんだ。そういえば霧野くんはもう足はいいの？」
「ああ。だいぶ良くなったよ。今度の試合から出れそうだ」
「よかった！」
「心配してくれてありがとう」

霧野くんの爽やかスマイルが眩しい。途中で別れ、それぞれ帰路についた。