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じっとりと汗をかき始めた私の背中。つう、と汗が背筋を伝うのがわかる。
弟者くんは驚いた顔をしたあと柔らかい笑みに変わった。
「 え、どうしたの？ 」
「 …なんか、この前から弟者くん怒ってるみたいで。LIMEも来ないし、私何か怒らせちゃったのかと思って。 」
そういうと弟者くんは、大きく顔を横に振って少し焦ったような顔を見せた。
私が思っているほどこの人は、悪い人じゃなかったみたい。
「 あ、いや、Aちゃんは何も悪くないよ。 」
「 じゃあ、なんであんな態度取るの。 」
期待しすぎた私が悪いんだ。
でも、私の口は止まらなかった。溜まっていた鬱憤を晴らすように今日まで彼に抱き続けた感情を爆発させてしまった。
「 ！それは、 」
「 …私、勘違いしやすいから。あんな態度取るなら、最初から優しくしないでほしかった。 」
「 Aちゃん…、その、ごめん。 」
「 もういい、大丈夫だから。 」
何も聞きたくない。
私が一方的に言って終わらせるだけで十分だから。
自分勝手だけど、そのまま弟者くんと目を合わせないようにその場を離れようとした。
「 …違うんだ、Aちゃん、ごめん。俺、Aちゃんにそんな思いさせるつもりなくて。
それだけはわかってほしい。俺はAちゃんのことが好きだ。 」
「 …は？ 」
「 急にこんなこと言ってごめん。…続きは、帰り話そう。次の講義が終わったら帰れるから待っててくれないかな。 」
弟者くんは、困ったように笑っている。
私は急な発言に戸惑いを隠さないでいる。
彼もまた、私と同じく一方的に言い放ってきた。
じゃあ、またあとで。そう言って私の前から消えた。
頭が脈打って心臓があるみたい。ああ、頭が痛いよ。
あんなに暑かったのに汗が冷えて急に寒く感じる。
私も場所を移して弟者くんを待つことにした。
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「 Aちゃん、さっきの話の続きしてもいい？ 」
彼を待つ時間はとても長く感じた。
時計を見ても全く動かない針と、手につかない課題と本。
頭の中で繰り返される弟者くんからの好意の言葉。
そして目の前にいる彼と、真剣な眼差し。
「 俺、さっきも言ったけどAちゃんのことが好きだ。
けど、だいぶ前からバイトの時にナンパされてるAちゃんのこと見て嫌な気分になってた。 」
ヤキモチ妬いてたんだと思う。
弟者くんは、真っ直ぐに私を見て話してくれた。
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作者名：まる | 作成日時：2024年3月12日 18時
