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弟者くん、今日どこか時間空いてないかな?
暑さも気にせず、少し走って人目につかないベンチに座った。
たなびく真緑と雲ひとつない真っ青な空が視界の端に映る。
深呼吸をして、震える手で文字を打ち込む。
すぐに送信してスマホを閉じた。
「 …やばい、勢いで送っちゃったけどどうしよう。 」
私は最悪な想定ばかり考えてしまい、送らなければよかったと送信取り消しを押そうか迷う。
でも消したら消したで後悔するのは目に見えてる。
空腹と暑さを感じないくらい、ドキドキしていた。
3コマ目が終わったら今日は何もないよ。どうかした?
ぼうっと空を眺めていたらカバンの中から振動が伝わる。
急いでスマホを開けば弟者くんから返事が来た。
よかった、嫌な返事は来なかった。
話したいことがある
私、今大学にいるの。終わったら連絡ください
そう送れば、画面が急に暗転しスマホから着信音がなる。
電話の相手は弟者くんだった。
私は息を整えて画面をスライドし、スマホを耳に当てた。
「 …もしもし。 」
「 "もしもし、Aちゃん？俺、もう大学いるんだ。講義まだ始まらないから、話したいこと今聞いてもいい？" 」
「 あ、えっと、 」
弟者くんの声は落ち着いてる。
でも顔が見えないから、話したくても上手く話せない。
言葉に詰まっている私の様子を感じ取ったのか、弟者くんは優しい声で提案してくれた。
「 "顔見て、話そうか？今どこ？" 」
「 っ、あ、ありがとう、5号館の裏の外にいる。 」
「 "はは、意外と近いところにいたんだ。今から行くね、暑いから日陰で待っててよ。" 」
弟者くんはそう言って電話を切った。
耳からはツーツーと無機質な音だけが聞こえる。
心の準備がまだできてないまま、もうすぐ彼と会う。
会ったらなんて話そう。どんな顔して話したらいいんだろう。
ここ数日間の気まずさが、一気に私の自信を失くしてしまったようだ。
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「 Aちゃん、お待たせ。 」
「 ごめん、急に呼び出したりして。 」
「 あ、いや時間空いてたし。それより、どうしたの？話って。 」
いつもの弟者くんだ。
私は手をぎゅっと握って、目を見て話す。
「 …弟者くん、私、何かした？ 」
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作者名：まる | 作成日時：2024年3月12日 18時
