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フタを開けると白い湯気とともにコーヒーの香りが辺りにフワッと広がって、じわりと伝わる温かさ。
「フタのまま飲めるぞ？」
「猫舌だから 冷ましながらでもいい？」
「なるほど！」
もう少し歩くと児童公園が見えてくる。そこまでと決めて熱いコーヒーをゆっくりと口に含んだ。
＊
「それじゃあここで。これはコーヒーのお礼です」
「それをこちらに」
塞がったままの両手でまごつく姿に見かねたのか 手にしたコーヒーを引き受けてくれた。
待たせちゃいけないと焦るほど鞄に入れたチョコレートが逃げ回って、結局は「ここに座ったら？」の言葉に促され公園のベンチに腰を下ろした。
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作者名：ふゆ | 作成日時：2023年12月2日 17時
