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お互い気が長い方じゃないからケンカはしょっちゅうしてる。
その度に謝るのは私の方で。実弥が怒るのは素直じゃない私のせいだから。
だけどこの頃は今みたいにさり気なく私の機嫌の悪さを取りなしてくれる優しい人。
「ねぇ、これからどこに行くの?」
「さあな。どこだと思う?」
問いかけにちらりとこっちを見てハンドルに置いた指がリズムを刻む。
流れていく夜の景色はイルミネーションの光。
それらがだんだんと少なくなっていつの間にか漆黒に包まれて、時折り見えるのは遠くの家の小さな灯りだけになった。
エンジンの音と隣で機嫌よくハミングする声が心地良い眠りへといざなうようで瞼をゆっくりと閉じた。
*
はっとして目を開けた私にそのまま眠ってろと優しい声がずっと遠くで聞こえてくる
実弥の大きな手に包まれてそのぬくもりの中にいつの間にかすーっと溶けていった・・・
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作者名:ふゆ | 作成日時:2023年11月25日 18時