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貴方side
『ん"ー』
目を覚ますと隣では今野がまだ眠っていた。
寝顔をまじまじと見る機会なんて
今まで無かったので新鮮な気持ちになりつつ眺めていると
長いまつ毛が揺れた。
目が合うと少し気まずくなって思わず視線を外すと
ぎゅっと抱き寄せられてしまった。
「好き」
耳元で囁かれた言葉に心臓が大きく跳ねる
昨日から最 中に何度も聞いたはずなのに、慣れない。
恥ずかしさを紛らわすために今野の胸に額を押し付ければ
ぎゅーっと強く抱きしめ返された。
「照れてんの？」
『っ』
揶揄うような口調で言われてしまう。
普段の私なら反論するところだが
『私も好き、かも』と小さな声で呟いてみれば
今野は驚いたように目を見開いた後
「なにそれ笑」と可笑しそうに笑っていた。
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作者名：うみ | 作成日時：2023年10月18日 11時
