今日も推しは顔がいい 2 (ページ10)

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『誕生日会の飾りつけやけど？』

「これってファンの子がやってるやつだよね」

少しムッとした顔をしてる猪狩くん。

何か気に触ることしたやろか？

推しの誕生日を直接祝えるからと

張り切りすぎてやりすぎた？

でもファンとしては盛大にお祝いしたいやん？

彼の機嫌を損ねないように思考を巡らせるが

いくら考えても猪狩くんの反応の意味が分からなくて

恐る恐る口を開いた。

『…あんまこういうの好きじゃない？』

「好きだし嬉しいよ、でもAちゃんは推しの猪狩蒼弥に対してこの飾りつけしたんでしょ？」

『うん、そやけど？』

「俺、Aちゃんの彼氏なんだけど？」

『ぁ、』

猪狩くんがムッとしていた理由がわかって

私の体温が一気に上昇する。

え、猪狩くんが推し(猪狩くん)に嫉妬してたってこと？

え、かわいすぎるんですけど？？

私の考えてることを感じ取ったのか

恥ずかしそうに顔を逸らした。

『ごめんね、猪狩くんの事しっかり考えてなかった』

「…いいよ」

『まさか自分に嫉妬するなんて、激かわ』

「心の声出てるけど、もー、可愛い禁止！」

耐えきれなくなったのか立ち上がり

私の腕を引いて寝室へ向かう猪狩くん。

あれ、なんか流れおかしくない。