ブラコンで何が悪い (ページ7)

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緑│生意気な弟の貴重なデレページ7

貴方side

『蒼弥そろそろ起きなー』
「あと、ごふん…」
「そるでこの間仕事に遅れそうになって私に車出させたのは誰かなー？」

そう言いながら私は布団にくるまってなかなか起きない蒼弥の布団を剥ぎ取った。

「ぅ、さみぃ、布団返せよ」

不機嫌そうにに眉をひそめた蒼弥は、私から布団を奪い返してまたくるまってしまう。もう20歳にもなるというのに甘えん坊で困ったものだ。

『あーあ、今日は時間があったから、蒼弥用に甘さ控えめのフレンチトースト作ったのになぁー、お姉ちゃん一人で全部食べちゃお』

そう言うと一瞬嬉しそうな顔をしたが、それを悟られたくないのかすぐに不機嫌そうになり、少し無言の時間が続いたが、誘惑には勝てなかったみたいで「くそっ、起きればいいんでしょ、起きれば」と言って、ドタドタ足音を立てながら顔を洗いに洗面所に向かっていった。

「ふふっ、相変わらず可愛いんだから」
『姉ちゃんも早く来いよ！』
「はいはい」

これは猪狩家のいつもの朝の光景だが、最近生意気だけどなんだかんだ言って可愛い所がある蒼弥の様子がおかしい。例えばリビングでテレビを見ているとわざわざソファに詰めて座って肩に頭を預けてきたり、いつもは着いて来なかった夕飯の買い物に一緒に行くと言い出したりなど、極めつけには、朝起きると私の腰あたりに抱きついて眠いっていた時は絶句した。

『最近やけに距離が近いけど、何かあった？』
「…別に」

不審に思って聞いてみてもいつも帰ってくる言葉は同じで、甘えたいお年頃なのかなととあまり気にはとめなかった。そんな日々が続く中、私は同期に飲みに行かないかと誘われ、最近あまり飲んでないなと思っていた二つ返事で承諾した。

『飲すぎたぁ〜』
「お前今日ペース早すぎ、明日二日酔いになっても知らないぞ、ほら水」
『ぅ〜、ありがとぅ〜』
「はぁ、家まで送ってやるからそろそろ帰ろう、先に会計してくるから帰る準備しときな」
『はーい』

私はそんなにお酒が強い方ではない。いつもは数杯でセーブしているのだが、今日は久しぶりの飲みに楽しくなってしまい、タガが外れてしまった。