ブラコンで何が悪い

赤│拗ねてる弟が可愛すぎる ページ5

貴方side



「もう勝手にすれば！作間作間うるさいんだよ！」
『瑞稀に言われなくても勝手にするから！作間くんは瑞稀と違って物分かりはいいし、親切だし可愛げがあるもんね！生意気なの瑞稀と違って！』
「ふんっ！」


喧嘩したのはほんとくだらないことで、私と作間くんが出かけることに瑞稀が小言を言ってきたのがはじまり。瑞稀の仕事の関係で私と休みが被らなかったり、帰宅する時間も合わなくてほとんど一緒に過ごせなかった。だから私の休日には瑞稀のメンバーである作間くんがよく一緒に過ごしてくれていた。「甘いもの好きなのでAさんに連れてってもらえるのをいつも楽しみにしているんですよ」とはにかみながら言う作間くんはほんといい子だと思う。


「それで、喧嘩したまま瑞稀くんを家に置いてきたんですか？」
『そー、家帰る頃には頭冷やしてくれてたらいいけど』


実は今日も作間くんとお出かけする予定だった、いざ出かけようとした時思いのほか早く仕事が終わって帰ってきた瑞稀と会い「…出掛けるなら俺も行く」と言われた。私としては3人でも全然良かったんだけど、生憎ここのケーキバイキングは予約制で今日は作間くんと私の2人分しか予約していなかった。それを瑞稀に伝えると


「はぁ？今日作間と出かけるの？」
『そうだけど』
「だめ、今すぐ断って」
『やだ、何ヶ月も待ってやっと予約が取れたところだから絶対に行く』
「じゃあ俺と行こ」
『作間くんが楽しみにしてたから瑞稀はまた今度ね』
「さっきから作間作間って…」


という訳、ケーキを食べながらぶつぶつ愚痴を言う私を横目に作間くんは何やらスマホを見てにやにやしている。こちらにスマホの画面を見せてきた、それは瑞稀とのトークで送られてきた内容に思わず立ち上がってしまった。


『作間くん…』
「あ、俺ほとんど食べて終わったので大丈夫ですよ」
『ごめん帰るね』
「いえいえー」

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