継子と同僚 ページ4
｢はぁああああぁ……｣
ため息を付きながら、のそりとした足取りでAはお館様の御屋敷から退席する。
お館様のご厚意には逆らえず、受け入れざるを得なかったが、正直のところ複雑な気分でいっぱいだった。
憂鬱な気持ちのまま、家までの道のりを歩く。
｢よもや！ Aではないか！｣
｢師範！｣
(この声は……)
元気のいい声に目を見張ると。
｢杏寿郎と健心じゃない。どうしたの？｣
炎柱・煉獄杏寿郎と、Aの継子である健心が、二人並んで逆方向から歩いて来る。
彼らは同期で同い年。そして、煉獄とAは、同僚として仲良しであった。
｢Aはこれから任務なのか!?｣
キラキラとした瞳でそう尋ねる煉獄。そんな彼をAが弟のように可愛がっているのは、言う間でもない。
｢そう。お館様から直々に頼まれちゃった｣
Aは、ふふっと軽い笑みを作る。
脳裏に浮かぶのは、黒縞の羽織と、人を蔑むような目つき。
煉獄のように、どんな辛い時も前向きでいようと思ったが、ぎこちない表情になってしまう。
それを心優しい健心が見逃す訳がない。
｢師範、体調悪いんですか？｣
｢えっ？｣
｢顔色悪いですけど……僕、変わりましょうか？｣
ドキッ、と胸が音をたてる。Aは即座に首を振った。
｢いや、あ……大丈夫。私、任務行ってくるね｣
本当ですか？ ご武運を、と心配そうに眉を寄せる健心。
Aなら皆を救えるぞ！ と元気にエールを送る煉獄。
そんな二人を見つめてから、Aはそっと腰に差した日輪刀に触れる。
……伊黒の手なんか借りずに、人々の幸せを守ってみせる。
絶対、生きて帰る。
Aは二人に手を振り、足速に任務先へ向かったのであった。
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魔凜芭(マリンバ)(プロフ) - Tenri.Tさん» コメントありがとうございます。ここではお答え出来ませんが、乞うご期待ください！ (7月6日 7時) (
レス) id: 32919790da (このIDを非表示/違反報告)
Tenri.T - 夢主も大切な人を鬼に殺されたんですか？ (7月3日 11時) (レス) id: f7528beaac (このIDを非表示/違反報告)
魔凜芭(マリンバ)(プロフ) - yurineさん» コメントありがとうございます！楽しみにしていてください♡ (2023年3月12日 16時) (レス) id: 32919790da (このIDを非表示/違反報告)
yurine(プロフ) - 続き気になります！ (2023年3月12日 11時) (レス) @page4 id: 79b141f983 (このIDを非表示/違反報告)
魔凜芭(マリンバ)(プロフ) - ねこねこさん» コメントありがとうございます！おばみつ推しの方にとっては不快なストーリーになってしまうんですが、楽しんでいただけたら幸いです♬︎ (2023年3月7日 20時) (レス) @page1 id: 32919790da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：魔凜芭(マリンバ) x他1人 | 作成日時：2023年2月19日 14時
