◇1:第四話 ページ6
男性は不思議そうな目で私を見る
『…っあ………えっと、あぁ……最初の試練で……ちょっと』
「…そっか………僕で良ければ隣にいるけど……」
『じ…じゃあ……お願いしようかな…』
“よいしょっと”と声を出しながら、気弱そうな男性は隣に座った
妙に優しいのは少し気になってしまうが
2人目の“知らないのに見覚えがある”人物
違和感が積もりに積もる
しかし、思い出そうと考え込むと
それを遮るように頭痛が激しくなる
とても気持ち悪い感覚だ
『…』
「…あ……あの…さ」
『？』
「急だけど…自己紹介してみない？」
『え？』
「あっ、嫌ならいいんだけど……自己紹介したら少しは緊張を解せるかなって……」
顔にマフラーを埋めながら
申し訳なさそうに眉をハの字にする彼を見て
罪悪感が込み上げてくる
顔が整っているだけあり、破壊力が凄い
確かに急に言われて驚いてしまったが
彼が言う事も一理ありそうに感じる
『ぐっ………そうだね……』
『私は“星河 灯”。君は？』
「！」
『…大丈夫？』
「あっ……ごめんね！僕は“日和 颯”。よろしくね、Aさん」
『うん、よろしく。ソウさん』
ニコッと彼に微笑んだ
途中で表情が固まったのが少し気になるが
優しそうな人でよかった
，
，
ソウさんとしばらく話をしていると
部屋の中の人数が大分増えていて
とても騒がしくなっていた
メイクが派手でパンクな女性
服装が変わった男の子
チャラそうな男子高校生
他にも個性的な人達が集まっていた
ここにいる人数は“13人”
『…頭痛はマシだし…よし』
「あ、Aさん。真ん中行くの？」
『うん。体調良くなったから話し合いに参加しないとと思ってさ…』
『隣にいてくれてありがとう。ソウさん』
「あはは、顔色も良くなってるみたいでよかったよ…僕も行こうかな…」
『一緒に行く？』
「いいの？喜んで行かせてもらうよ」
柔らかい笑みを浮かべゆっくり立ち上がるソウさん
彼から目線を外し、中央で話をしている人達へと近づいた
少し会話を盗み聞きしてみると
やはり、皆戸惑っているようだ
誘拐され、変な部屋に入れられ…
不安にならない方が不思議だ
それに頭のおかしい“最初の試練”
あれは何だったのだろう
『…平常心なんて保てないよね』
部屋に敷き詰められた青色のタイル
じぶんがやんわり反射している
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きな粉もち猫(プロフ) - 伊豆花織さん» コメントありがとうございますぅぅ！！とても素晴らしい作品なんてとんでもないです……。腕に縒りをかけて書かせていただきます！ (10月24日 18時) (
レス) id: 8ffe08dcc0 (このIDを非表示/違反報告)
伊豆花織(プロフ) - とても素晴らしい作品に出会ってしまいました！私も月と星をテーマにキミガシネの作品を書いたため、この作品がどんな展開をして行くのかとても楽しみです！！“13人”との事なので主人公以外に誰がいるのかがとても気になります！ (10月24日 18時) (レス) @page6 id: 32bef120c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きな粉もち猫 | 作成日時：2023年10月21日 17時
