◇1:第二話 ページ4
．
「ん……」
ゆっくりと瞼を開ける
一番最初に目に入ったのは
知らない無機質な灰色の天井
「…ここは…？」
少し痛む頭を抑えながら体を起こした
ボヤッとした視界は徐々にハッキリと辺りを映す
薄暗い灰色の部屋
白いテーブルとパイプ椅子
机に置かれた謎の時計のような物
そして、何枚か重ねられた紙と鉛筆
俗に言う誘拐というヤツだ
しかし、それが分かっても一体ここで何をすればいいかが分からない
取り敢えず中央に置かれたパイプ椅子に腰掛けた
直後、無機質な声が部屋に響く
【____音声案内を開始いたします】
【__これより最初の試練を行います】
【__星河 灯さんには、置かれた紙に書かれた5つの質問に答えていただきます】
【__もし 正直に答えられなかった場合 また 制限時間内に答えられなかった場合には】
_____部屋の装置が作動し グチャ！と壁に挟まれます______
【__是非ともこのスリルを全身で味わってくださいませ】
【__制限時間はたっぷりと 10分 とさせていただきます】
机の上に設置された時計のようなもの
ピッと音を立てて時間が動き始めた
「……は？」
シーンと静まり返り、タイマーの音だけが響く部屋
壁からは微かに機械音がする
頬に汗が伝う
机に置かれた《質問》と書かれた紙をめくった
1枚につき2問、3枚目は1問
紙が勿体無いと思うほど大きな紙に反し
その問題は小さく書かれていた
その内容も普通
名前や誕生日、好きな事など
「大丈夫、まだ時間はある……」
表示されている6の文字
ペラッと2枚目を捲り最後の問題に目を通した
「……”この写真の人物の名前はわかりますか“…？…写真？」
写真なんて何処にもない
めくる時に落としてしまったのだろうか
キョロキョロと辺りを探していると
目の前の壁が長方形型に光り始めた
【提示します】
と部屋に声が響く
．
．
「？………ぁ…！！」
ﾋﾟﾋﾟｯ という音と共にモニターに写された人物
“それ”を視界に捉えた直後
体が石のように固まり、全身から汗が溢れ出る
口に弧を描きこちらを見透かすような眼
癖っ毛の緑髪
____…やぁ！_____
知らない、会ったこともない
「あ……れ？」
モニターから目を離せない
怖い
．
震えた手で”わからない“を書いた
．
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きな粉もち猫(プロフ) - 伊豆花織さん» コメントありがとうございますぅぅ！！とても素晴らしい作品なんてとんでもないです……。腕に縒りをかけて書かせていただきます！ (10月24日 18時) (
レス) id: 8ffe08dcc0 (このIDを非表示/違反報告)
伊豆花織(プロフ) - とても素晴らしい作品に出会ってしまいました！私も月と星をテーマにキミガシネの作品を書いたため、この作品がどんな展開をして行くのかとても楽しみです！！“13人”との事なので主人公以外に誰がいるのかがとても気になります！ (10月24日 18時) (レス) @page6 id: 32bef120c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きな粉もち猫 | 作成日時：2023年10月21日 17時
