◇1:第一話 ページ3
「…寒っ！……」
．
ある少し肌寒い日の夜
日課である“星の観察”をしようとベランダの窓を開けると
ﾋﾞｭｳと音を立て一気に冷たい空気が部屋に流れ込んで来た
昼間よりも圧倒的に冷えた空気が
部屋をあっという間に埋め尽くしていく
薄着のままベランダに出ようと思っていたが
夜に出るのが久しぶりで、山の寒さを忘れていた
長時間こんな冷たい風に当たっていたらすぐに風邪を引いてしまうだろう
クローゼットからひとまわり大きい上着を出し、腕を通した
「よし。」
ガラガラと網戸と一緒に窓を開け、一歩踏み出した
さっきとは比べ物にならないほど暖かい
やはり、少し分厚めの上着を選んでよかった
これで夜空に集中出来る
「おぉ！運がいいなぁ！」
「霧もないし雲もない！」
「…珍しいこともあるんだなぁ」
違和感がある程澄んでいる夜空
田舎なだけあって街灯が少なく
元々キラキラと輝く星は、より一層綺麗に光っていた
「……」
いつからか夢中になっていた夜空
今日は流星群が降る夜
真剣に見るのは何年ぶりだろう
「上手く撮れるといいけど」
「……あ、カメラ……持ってこなきゃ」
星から目を離し、急いでサンダルを脱ぐ
散らかった部屋を見渡しガサガサを漁る
目に入ったのは、色々な資料に埋もれたカメラ
その紙を払い除け、取ろうと
手を伸ばした
ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ
．
「え？」
ビクッと体が揺れて、カメラが机から音を立てて落ちた
青白い月光が玄関のドアを照らしている
カメラを落とした音は相手にも聞こえていただろうか
怖くても居留守は出来ない
「……」
サンダルはベランダ
取りに行くのは少々面倒だ
．
ブーツを履いて、嫌に冷えた玄関のドアノブを握った
「よし……」
ｶﾞﾁｬ
「はい……どちら様で………え？」
．
ドアのチェーン、かけときゃよかっ____
．
．
．
．
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きな粉もち猫(プロフ) - 伊豆花織さん» コメントありがとうございますぅぅ！！とても素晴らしい作品なんてとんでもないです……。腕に縒りをかけて書かせていただきます！ (10月24日 18時) (
レス) id: 8ffe08dcc0 (このIDを非表示/違反報告)
伊豆花織(プロフ) - とても素晴らしい作品に出会ってしまいました！私も月と星をテーマにキミガシネの作品を書いたため、この作品がどんな展開をして行くのかとても楽しみです！！“13人”との事なので主人公以外に誰がいるのかがとても気になります！ (10月24日 18時) (レス) @page6 id: 32bef120c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きな粉もち猫 | 作成日時：2023年10月21日 17時
