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何周か、私の周りを回ると、目の前で真顔になり、急に立ち止まった。
どうしたのかと、顔を近づける。
ﾙﾌｨ「お前……悲しいのか？」
《え”……》
朱狐【何？】
麦わらの男と目を合わせ、少し頷いた。
何故だろうか。目を合わせていると、見透かされている感じがする。
ﾙﾌｨ「……」
《……》
朱狐【…】
見つめられるのが、何か恐ろしく、長く感じて。
目を逸らして、頬ずりした。
ﾙﾌｨ「うぉ！」
朱狐【何かこいつ、怖ぇ！！】
《それな〜！は〜……もう……送るかぁ》
朱狐【船まで？】
《うん》
麦わらの男の服を咥えて背中に乗せ、船の方へと歩き出す。
ﾙﾌｨ「うぉぉぉ！！！スッゲェ！高ェ！！」
《もう逃れられない……クソッ！》
朱狐【はっはっはっw】
やがて小さな森を抜けて、一船が見えてきた。
船の前には一味が集まっている。
ﾙﾌｨ「お〜い！！お前ら〜！！」
ｳｿｯﾌﾟ「うわぁ！？！？ルフィ！！大丈夫なのか！？」
ﾙﾌｨ「んん？何がだ？」
ﾅﾐ「その狐よ！！」
ﾕｷ『わ〜！おっきい！！！』
朱狐【気づいてなさそうだね！！】
《一安心だわ……》
ﾙﾌｨ「オレ、こいつ仲間にする！！」
一味「「「「「「………」」」」」」
一味「「「「「「えぇぇぇぇぇぇぇ!?!?!?」」」」」」
《どっからそんな話になったの！？》
朱狐【】
ゴムのように伸びた手で、ぐるぐると巻き付かれた。
離す気は無さそうだ。
ﾕｷ『いいじゃん！！もふもふ〜！！』
《あんたは黙っとれ！！》
ｳｿｯﾌﾟ「お…おい……ルフィ！こいつがどんな奴かも分からないのに乗せるのか？」
ﾅﾐ「何をしてくるか分からないわよ……」
ｿﾞﾛ「zzz……」
ｻﾝｼﾞ「狐肉か……」
ﾕｷ『サンジ君！？食べないでよ！！』
ﾋﾞﾋﾞ「こんな風に……」
結局、無理矢理乗せられた。そう無理矢理ね。
こんな、調理しようとしてくる人とか、
面倒くさい事になりそうな所に自分から行くわけないです。
ﾕｷ『もっふもふ〜！』
ｳｿｯﾌﾟ「名前はどうすんだ？呼べねぇだろ？」
ﾕｷ『えっとねぇ〜……A』
《ﾌﾞﾌｯｯ……》
ﾅﾐ「A……何でその名前にしたの？ユキ」
ﾕｷ『……分かんない！なんかこの名前がいい！』
どうやら直感で選んだらしい。記憶を無くしているみたいだ。
正体がわかっているのかと思ってしまった。
続く
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作者名：きな粉もち猫 | 作成日時：2023年4月29日 16時
