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No side
「ごめんね、憂太。君に憑いてる……えっと里香だっけ、その子に会うにはこれが早いかなって思って」
未だに驚いている憂太にAが気まずそうに言った。
「…初めまして、里香。いきなりこんなことしてごめんね。……まぁ幽霊といえど怪我はするからね、拘束はさせてもらったけど。憂太の背後霊になることについて、君には許可を取らないといけないと思って。背後霊になるとはいえ、君達に何も迷惑はかけない。勿論、憂太に危害を加えることもない」
『ほん゛とおぉぉぉ?』
「本当だよ。約束」
そう言ってAは里香に小指を出した。
日本古来の誓いの仕方。
かつて里香と憂太もこの方法で愛を結んだ。
形ある約束は呪術的にも大きな意味がある。
そっと里香の小指に絡ませると、里香は納得したように憂太の後ろへと戻り消えていった。
「縛りはこうやって結ぶんだよ、一年生諸君」
「はぁ!?今の縛りだったのか!?」
「縛りにするつもりはなかったんだけどね、縛りになっちゃった」
なんとも無さそうにそう言うAに真希達3人はとうとう遠い目をし始めた。
一方憂太は自分抜きでAが背後霊になる事が決定してしまったことに呆然としていた。
「(呪術師って……なんか変な人が多い…!)」
自分もいつかはこうなるのだろうか。
その前に自分は此処で生きて行けるだろうか。
心配事が尽きない憂太に、遠い目をする3人、そしてそれを見上げながら不思議そうにコテンと首を傾げるA。
もはやカオスな状況である。
本来ならば、そろそろ補助監督が待つ車に乗っているはずの一年生達はツッコミの居ない摩訶不思議な5人が揃ってしまった事により任務のことなど頭から抜けていた。
この男が来る迄は。
「お〜い、里香の声聞こえたけど大丈夫〜?」
「出た馬鹿」
「あっAじゃーん。久しぶり………ん?はぁ!?A!?」
「とうとう頭可笑しくなった?」
特級呪術師五条悟。
この一年生達の担任であり、Aの同期である自他共に認める最強の男。
肩書きだけは良いこの男、実際はただの性格が残念なクズで誰にも尊敬されない悲しい男である。
廊下の奥からやって来た五条はAを見て笑顔で手を振り、そして固まった。
「ちょっと、Aさん?目が覚めたら一番に僕に言いに来るように言ったよね?」
「行く途中でこの子らに会った。今年の一年も面白いね、去年と違った意味で」
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小春日和 - 如月ナツキさん» コメント返すの遅くなりました!応援ありがとうございます!(* >ω<) (2022年4月3日 9時) (レス) id: 659926ff91 (このIDを非表示/違反報告)
如月ナツキ - ささっ失礼します))小春日和さんの新作とてもいいですね!(≧∇≦)b更新頑張って下さい!!応援しています!(*´▽`*) (2022年4月2日 2時) (レス) id: 2105fe2679 (このIDを非表示/違反報告)
猿集合 - 小春日和さん» わわ、嬉しいです!ありがとうございます!!長々とコメントをしてしまって申し訳ないです。愛が爆発してしまいました! (2022年3月31日 15時) (レス) id: f5527a80f8 (このIDを非表示/違反報告)
小春日和 - 猿集合さん» コメントありがとうございます!いっぱい大好きって言って頂いて嬉しいです!!私も猿集合さんの作品大好きです! (2022年3月30日 22時) (レス) @page3 id: 659926ff91 (このIDを非表示/違反報告)
猿集合 - コメント失礼します。小春日和さんが出している作品は全て拝見させて頂いています、ストーリー性や設定がとにかく大好きです。大好きすぎてやばいです夢主ちゃんの口調とかもう堪りませんね。応援してますこれから頑張ってください!! (2022年3月30日 16時) (レス) @page3 id: f5527a80f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小春日和 | 作成日時:2022年3月29日 11時