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窓の割れる音がやけに耳に響いて、視線を上げれば呪霊がいる。硝子の破片で切ったのか、それとも床に打ちつけられた時に切れたのか、どっちか分かんないけど頭から血が流れてきて目がチカチカする。右腕はまだ思うように動かない。最悪過ぎる…。
ちらりと下を見て私は咄嗟に窓の桟を左手で掴んだ。駄目だ、思ってたより高さある!ここ3ヶ月殆ど運動していないし柔軟もしてない。この高さを呪霊の相手をしながら落ちたら死ぬ。もしくは骨折れちゃうじゃん。
窓から次々と飛び出して来る呪霊は、そのまま地面に落ちていく奴もいれば私の方に来る呪霊もいる。ここは一か八か、自分の骨との戦いだ。お願いだから着地の時に足の骨折れないでよ…。
足を大きく揺らしてその反動で足の裏を壁に付ける。右手を何度か握ってから、意を決して刀へと手をのばす。本当は後がしんどいから使いたく無かったけどこの状況じゃあ一番あれがやりやすい。
深い呼吸をして、シィィィィという独特の呼吸音が自分の口から出ていることを確認して私は目を閉じた。頭の中で騒がしい蒲公英が言っていたことを思い出す。
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「は?雷の呼吸を使いたい?」
『そう。ほら、私今まで見よう見まねでやってたじゃん?でもさ、善逸みたいな速さでないんだよね〜。ってことで教えて?』
「いや、君さ今怪我人だよね」
『ん?あぁ、大丈夫だよ。怪我してるの腕だし。私抜刀は得意だからさ、足の使い方を教えて欲しいの。…………だめ?』
「…っああもう!!Aちゃんさあっ!!俺がAちゃんのお願いに弱いって知っててやってるよね!?!?」
『うん!だって善逸優しいから、私のお願い事聞いてくれるもん!』
「分かったよ、教えたらいいんでしょ!教えたら!!」
_____
__いい、Aちゃん。とにかく足に意識を集中させて足の細かいところまで空気を巡らせるんだ。力を足に溜めて溜めて、それから一息に爆発させる。
……善逸って声はいいんだけどうるさいんだよなぁ。なんて思いながら善逸の説明通りに足に力を溜める。
『雷の呼吸壱の型 霹靂一閃』
爆発させる、そんな感覚で私は前に飛び出した。数体の呪霊を斬った感覚があり刀を鞘に戻しながら目を開けると頭と胴体が離れた呪霊がいたが、瞬きの間に元に戻っていた。やっぱ祓えてない…。
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ゆゆ(プロフ) - 小春日和さん» 面白いです!!更新ありがとうございます✨ (7月11日 20時) (レス) @page23 id: 2307c0fefd (このIDを非表示/違反報告)
小春日和 - ゆゆさん» 返信遅くなりました!めっちゃ褒めてくださって嬉しいです!更新停止にならないように頑張りたいです! (7月11日 19時) (レス) id: f370adada3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - 面白い!......でも更新されてないの残念...泣 何回も読み直してます!最初に言ったとうりめちゃめちゃ面白い作品で語彙力も高くて!続き...書いてくれたら嬉しいな... (6月8日 16時) (レス) @page21 id: 2307c0fefd (このIDを非表示/違反報告)
小春日和 - みーさん» あたたかいお言葉心に染みます。ありがとうございます!頑張って更新していきます!! (2022年7月28日 8時) (レス) id: 659926ff91 (このIDを非表示/違反報告)
小春日和 - ( ・´ー・`)どやwさん» ありがとうございます!私、文才分けてほしいって言われたの初めてです。めっちゃ嬉しいです!! (2022年7月28日 8時) (レス) @page11 id: 659926ff91 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小春日和 | 作成日時:2022年5月5日 14時