雨女と深澤さんの妹 (ページ6)

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車中からぼんやり
外を眺める……
もう心臓がバクバクで、はち切れそう

月「こっち、あんまり雨は降ってなさぽ
いじゃん」
貴「これからなのかも、私、凄い雨女で
私が行く方向に雨雲が移動するの」

月「ふふっ、気象予報士泣かせ」

彼と初めて下校した時、二人で、出掛けた時も雨だったっけ

“卒業式には雨を降らすなよ！”

なんて笑ってた彼は、雨の中でボタン
1つも無くなって、傘をさしながら待っててくれた

『はい、初めからAに取っておい
た』

『ありがとう、もう全部ないんじゃん』

『あっ、Aがヤキモチ焼いてる〜
俺ら理想のカップルらしいぜ』

『何が根拠なんだ』
『だって俺らすげ〜仲良しだからじゃ
ん』

月「どうして彼氏さんと別れたんですか何だか上手くいってたぽいのに」

貴「いきなりね、別れてくれとしか言わ
れなくて、でも言ってる彼が凄く辛そう
でね、私は何も言えなかった」

彼にそんな辛そうな顔をさせるのに、私が側にはいれなかった

月「友達とかに相談とかしました？」

私はゆっくりと首を振った

貴「友達の殆どを共通してて、周りに
心配かけたくないし、彼に矛先が向いて
も欲しくなかった」

切り出したのは彼でも、私が彼をそう
させたんだ

貴「でもすぐにバレちゃったんだけど
好きな人いるって、嘘ついちゃって、本当にばかだよね」

”結婚式のスピーチは私達に任せてね
これ以上ない位に、甘くして盛り上げる
から楽しみにしててよ“