雨女と深澤さんの妹 (ページ3)

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タクシーの乗り場は
思った通り沢山の人で溢れていた
一秒でも早くに会場につける様に願い
ながら、列の最後尾に並んだ

今の時間は帰宅には早いせいか、列は
どんどんと前に進んでいき、私の心に
かかった霞も、晴れて行くようで軽く
成るようだった

「あのう〜、お仕事でお急ぎでしたら
先にどうぞ」

私の前に一人で並んでいた私よりも
少し若い感じの子に、声を掛けられた

キャリアスーツにビジネスバッグ……
どこから見ても、営業の外回りだよ

貴「ありがとう、でも仕事じゃないか
ら大丈夫よ。どっぷりプライベートだ
からね」

「そうなんですね、お仕事もう終わら
れたんですか？」

貴「今日は仕事は休みだったんだけど
ちょっと出社しなくちゃいけなくなっ
て、やっと開放されたの」

なんか見ず知らずの彼女が、凄く聞き
上手で、今日１日の出来事とSnowMan
のライブに行くこと等等、ペラペラと
おしゃべりをした

「それは本当に残念ですよね」

貴「うん、着替えだけでもちゃんと
準備してないといけなかったんだよね
こんなヨレヨレじゃ、ふっかさんに
会えない、って行くんだから、矛盾し
てるのよね、ごめんね
ああっ〜、初参戦だったのにね〜」

「でも、多分、余計に目立っちゃうと
かあるかも、凄い格好いいから
つい、声を掛けちゃったもん」

貴「んーー、なに？聞こえないんだ
けど」

「じゃ、私と一緒に行きましょう
私も同じところに行くので、ふふっ」