君を探して三千里【マッシュル-MASHLE-】

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なんの音…？


そう思いつつも廊下を歩くと____






そこにはキャベルくんの魔法によって頭を怪我しているフィンくんが





「ま、マッシュ君、Aちゃん…」



「マッシュ君と…君はマッシュ君のお姉さんかな？」




マッシュ以外の人、しかもキャベルくんにお姉さんと言われたことに少し腹が立つ





『そう、だけど。何してるの…？』



「謝ってもらってるんだ。彼が調子に乗っちゃったからね」




そんなキャベルくんの話に何も答えることなくマッシュはフィンくんに近寄る




「大丈夫？フィン君」



「うん」



「でも傷が…」



「そんなことより…」



そんなことって…

早く治癒しないと…




「マッシュ君」






「僕だった…君の教科書ボロボロにしたの僕だった！」
「命令されて、怖くて、逆らえなくて、けど君は僕のことを良いやつだって…！友達だって、言ってくれたのに」
「それなのに僕は、君に酷いことを…だから、どうしても謝りたくて」

「ほんっとうにごめん…！ごめんよぉ」




そのことを聞いて思わず治癒しようと杖を出す手を止めてしまった



「僕にもそうやって素直に謝ればよかったのに」




今まで感じたことのないような感情が心を支配する

少しでも気を抜いたらキャベル君に攻撃してしまいそうなほどに




「あ、そういえばさ教頭と一緒に食事するんだけどマッシュ君も来ない？ついでにお姉さんも一緒にどうかな？」
「そんなボロ雑巾は放っておいてさ、君達の事を是非紹介したいんだ。こんなチャンス2度とないと思うけど、そんな謝ってばかりのやつと連んでたらね」




『いいよ、マッシュ。フィンくんは私に任せて』




そう言うとマッシュはキャベルくんに向かって歩きだす








『ごめんねフィンくん。痛かったよね、今治すから』


『フリージア』




「なんで、僕なんかのために…」
「僕は、マッシュ君の教科書をボロボロにした酷いやつなのに…」




『いいんだよ、そんなこと。マッシュだって怒ってないし』

『それより、ごめん。フィンくんが辛い思いをしてたのに私は気づけなかった』



フィンくんに向かって頭を下げる



「そ、そんな…！頭を上げてよ」



『ありがとう…やっぱりフィンくんはいい人だね』



「ッ！」

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