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「幸坂さん、シートベルトは締めましたか?」
「はーい!完璧です!」
「それでは出発しますね。」
伏黒から告白を受けて3日が経った。
その3日間、野薔薇に虎杖とのデート(仮)についての真相を聞くことも、告白の相談をすることも出来なかった。
教室や訓練の時は、伏黒も普通にしてたから私も普通にした。
だけど一方的に野薔薇と虎杖に対して気まづさを抱いてしまっている私は、2人が話しかけてくれても素っ気ない対応しかできなかった。
本当はもっと心に余裕を持ちたいんだけどね…それが出来ない…悔しい。
そして今日は前々から決まっていた私単独の任務。
実は私、1級呪術師でして。
他の3人より任務の量も多いし、一人で行くことも割と多いのです。
今日の任務の補助監督さんは伊地知さん。
すごく安心感ある。なんか雰囲気すごく好きなんだよね。
「伊地知さんって優しいけど五条先生にめっちゃパシられてますよね。あ、優しすぎるからかな?」
「急になんですか……?」
「あ、すいやせん心の声です。」
「はあ……」
んー。てか告白の返事まじどうすっべ。
伏黒の顔すごく真剣だったな。
私は、彼氏は欲しいんだけど、伏黒のことは恋愛面で好きっていう訳じゃない。
真剣に告白してくれた伏黒に、こんな彼氏が欲しいだけの私が付き合っても、いいんだろうか。
(まあ伏黒は優しいからな。きっとそれでもいいって言ってくれるんだろうな。)
だけど、友達の私としては、伏黒にそんなこと出来ないし、そもそも伏黒にそんな女と付き合って欲しくない。
……あれ?私どんな立場?
まあでもとりあえず、これ以上先延ばすわけにもいかないし、早めに返事しなきゃ。
それと、野薔薇と虎杖のことも、早く聞いてスッキリしたい。
私の勝手な誤解なら、いいんだけど。
車の窓から見える空は、いつもより少しだけ雲が多かった。
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作者名:鈴道 | 作成日時:2021年8月29日 2時