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「暑いな」


「そうね。夏服はまだかしら。」





虎杖が死んだ。


少年院で、私たちを逃がすために1人で特級と戦って、最後は宿儺に殺された大馬鹿者。








「伏黒〜野〜薔薇〜」




お気楽そうな声がして振り向くと、そこには何となく久しぶりな気がするAがいた。




「虎杖の顔みてきた。
……ごめんね。私、別の任務で。2人に背負わせて、ごめんね。」


「……別に?何も背負ってなんかないわよ。気にしすぎ。」


「ああ。幸坂は何も気にすることなんかない。ただ、これから俺たちがもっと強くなればいいだけだ。」


「……うん。ありがと。」




いつも元気なくせして、今日はこんなに落ち込んでいる。


見慣れていた笑顔も、今日の笑顔は全く違って、今にも泣き出しそうだった。


Aは表にはあまり出さないけど、友達思いの優しい子。


きっと自分だけが同じ任務に行けなかったことを、私たちが思っている以上に後悔している。


Aに非は全くないのに。





あの日、虎杖を呼び出した日のことを思い出す。


帰る頃には、もうAが好きだということを素直に認めていて、いつ、どんな風に告るかまで私と話していた。


なのに、あのバカ。


勝手に死んでんじゃないわよ。


アンタの大好きなAが、アンタのせいで泣いてんのよ。


さっさと隣に来て、いつもみたいに笑いかけなさいよ。









そんな時。





「なんだ恵。いつもに増して辛気臭えツラしてんな。お通夜かよ。」





メガネをかけた美人が来た。







うーーーーーんっと、誰???????



















.

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作者名:鈴道 | 作成日時:2021年8月29日 2時

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