ただ彼氏が欲しいだけ【虎杖悠仁】 (ページ1)

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「ねえ野薔薇〜なんで私彼氏できないの？」

幸坂A、16歳。
ここ高専の1年生で、呪術師をしている。

「私が知るわけないでしょ？ま、ここの男どもに恋なんてありえないしね〜」

釘崎野薔薇、私の大親友。
同級生唯一の女子。野薔薇の考え方大好き。

「ん〜まあみんな顔はいいんだよ？顔は。ただ私のタイプには程遠くてさ〜」

普段は呪霊と戦ってる私たちだけど、こうして休みの時は2人で恋バナをする。主に私が。

「タイプぅ〜？あんたのタイプ何だっけ？なんか多かった気がするんだけど」

私が何回もこの話をしても、毎回野薔薇はちゃんと聞いてくれる。やっぱり好き。

「私のタイプは、イケメンで優しいのは大前提！それでいて料理ができてお話上手で気遣いできる人！あと私より強ければなお良し！！」

「前半はいるかもだけど、あんたより強いが条件にあるんじゃ、まあパンピーは論外ってことね〜」

「ん〜、まあ任務で出会う人って死んでるか怯えてるかのどっちかだしそういう関係にはならないわな〜」

なぜ強い人がいいのか。
それは私より長生きして欲しいから。

だって1人で死ぬの寂しいじゃん？まあ呪術師なんてやってりゃいつ死ぬか分かんないけど。

「あんた、本気で彼氏欲しいならもうちょっとハードル下げたら？顔はいいんだから。」

「そうなんだよね〜顔はいいのよ私。何がいけないのかまじでわからん」

「そういうとこじゃない？」

いやでも本当にそうなの。

自分で言うけど顔は整ってるんだよ？私。野薔薇にも言われるし。

何がダメなんだろ、性格？口の悪さ？別にお金遣いは荒くないし。

「はぁ〜あ、もう誰でもいいから私に告白しないかな〜」

「なに、あんたまさか告白されたら好きじゃなくても付き合う気！？」

「ん〜まあ顔が良ければ？」

「……あっそ」

あれ？呆れられた？

いつも恋バナは野薔薇に呆れられて終わるけど今日は一段と呆れている。何故。

「はーーあ！！いつになったら彼氏ができるんだか。私も彼氏とデート行きてえー！！！」

こうやって私が叫ぶのもいつものこと。