課題2 ページ3
「おかえりなさい」
『ただいま千』
「ただいま!」
出迎えてくれた千の頭を撫で、部屋に向かった。
『うーん、もう夕方か……』
もう十分休んだし、夏休み最後の夕食も作ろう。
『母上、買い物に行ってきます』
「……ではお願いします」
『うん』
どうしようかな……そうだ、夏野菜カレーにしよう。野菜が食べたい。そういえばスーパーの広告にスイカが特価だと書いてあったな。みんなで食べるか。
材料を買い、家に帰って作り、家族揃って食べた。
「片付けは俺がやろう」
『そう?じゃあ頼んだよ』
台所の片付けを杏に頼み、私は明日の準備をすることにした。
新学期だから授業は少ないが、後に溜めておくのは良くないからな。資料整理やプリント作り、授業の進め方なども決めておく。
ポンポンと進めていくと、いい時間になってきた。
「姉上」
『ん?どうした千』
「お風呂上がったのでどうぞ」
『あぁ分かった。今行く』
……うむ……やはり家の風呂もいいな。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
自室で明日の準備をしていると、ノックが聞こえた。
『私だ』
「カヤか。入っていいぞ」
どうやら風呂が終わったらしく、俺の番を教えに来たらしい。
「分かった、今行く。……?どうした」
俺が立ち上がっても部屋から出ようとしない。
……ああ、なるほど。
「早く上がる」
『そうしてくれるとありがたい』
これは考えることではないな。未だに何故こんな事をしているのか明確な説明はできない。強いて言うなら、"そうしたいから"が一番妥当だろう。そこに深い理由はない。
片割れを待たせたくなくて、いや俺が早く行きたくて、風呂はいつもより早く上がった。
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:すみた先生 | 作成日時:2021年4月29日 9時