↓ ページ18
「おかえりなさい」
『ただいま』
「ただいま!」
「姉上、兄上。誕生日おめでとうございます。朝は会えないので」
「『ありがとう!』」
「今日は母上が奮発したと言っていました!」
『そうか。なら早く行こう!』
「おかえりなさい」
「ただいま帰りました!」
「帰ったか」
『父上』
「じゃあ食事にしましょう。2人共、準備を頼めますか?」
「承知した!」
『もちろん』
母上の美味しい夕飯を家族みんなで食べ、風呂に入り、部屋に落ち着いた。
『ふぅ……』
コンコン
『いいよ』
「カヤ、俺からだ」
小さな箱を持って入ってきた杏。
『奇遇だね、私もお前にプレゼントがある』
「どうやら被ってしまったようだな」
『双子というのは恐ろしいものだな。せっかくだから同時に開けようか』
明らかに似ている箱を交換して、掛け声は出さずに開ける。
「!」
『おぉ……これまた高そうなのを』
「それはお前もだろう……」
『買える範囲で良さそうなのを買ったんだ。だいぶ長く使っていたからね』
箱の中で文字盤を煌めかせる腕時計。
「父上と母上からもらった腕時計も納め時か。惜しい」
『捨てずに取っておくよ。大事なものだし』
「そうだな。ありがとう、やはりお前からの贈り物が一番嬉しい」
『私もさ。誕生日おめでとう杏寿郎』
「おめでとう嘉柳」
生まれてから26年目の夜は、とても心地好く眠れた。
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:すみた先生 | 作成日時:2021年4月29日 9時