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命令9 ページ9

黒尾は心の中である人物の名前を何度も呼び、謝っていた。



研磨、本当にごめん。


諦めてしまった。守れなかった。何も出来なかった。必死で集めた情報を渡してしまった。数を挙げればキリがないほど、黒尾は孤爪に対して心の底から罪を感じていた。


お前を1人にしちまう。


こんな状況で1人にさせてしまう。どんなに心細い事だろうか。孤爪の気持ちを想えば絶対に諦めるべきではないと、黒尾の理性は主張する。


でも……もう無理だ。


心には抗えない。こんな地獄で生きていたいとは思わないのだ。自分が、本当に可能性の低いゲームの最後まで生きていられたとして、そこから普段の日常に戻れるだろうか。大好きなバレーを続けられるだろうか。沢山の人間の命の上に立つ覚悟と狂気が、自分にあるだろうか。



川西「……はい。こっちの携帯に移した」

黒尾のスマホを川西は黒尾のポケットにそっと入れ、黒尾の上から立ち上がった。そして灰羽や夜久の携帯も確認し、その場から立ち去ろうと踵を返した。


黒尾「は……?」

川西「何。約束は守った。拘束、苦しかったでしょ?」

黒尾「っ……!!」


奈落の底にでも落ちるような感覚だった。

命は救われたのだろうが、とっくに出来ていた死への覚悟を粉々に打ち砕かれたのだ。



黒尾「お、まえは……どこまで、人を壊せば………気が、済むんだよ……」


そこには喜びも悲しみも怒りも無く、ただただ絶望があった。



黒尾の問いかけに、川西は足を止めた。そして振り返らずに、朝日が昇る空を見上げて口を開いた。




川西「俺の目的は……




"参加者の救済"ですよ」





その奥に何の覚悟が隠されていたのか、その言葉が本当に黒尾に向けたものだったのか、知っているのは川西と、川西が想う人物だけであった。

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設定タグ:ハイキュー!! , 王様ゲーム , ホラー   
作品ジャンル:アニメ
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すみた先生(プロフ) - 生きてる人さん» 読んでいただきありがとうございます!自分でもなんで川西をここまで育てたのかよく分かりませんが、役がハマったようで良かったです(笑)。どうかそのまま生きてください…… (7月24日 23時) (レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
生きてる人(プロフ) - 読んでいるうちに片鱗は見えてたのですが命令9の川西が本当に大好きすぎました!!!!!!このような素晴らしい川西をありがとうございます!!あなた様のおかげで命が救われ気力体力全回復しましたありがとうございます!!!!!!! (7月24日 8時) (レス) @page3 id: 17d3aa535f (このIDを非表示/違反報告)
すみた先生(プロフ) - 命令9の最後にて、チーム分けに間違いがありました。国見と金田一が逆になっていた事をご指摘頂きましたのでここで報告させて頂きます。混乱された方、大変申し訳ございませんでした。訂正し、お詫び申し上げます。 (2022年1月3日 19時) (レス) @page48 id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
すみた先生(プロフ) - 員脚さん» ありがとうございますっ!どんどん加速してラストスパートかけていくんでよろしくお願いしまーす!! (2022年1月2日 22時) (レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
員脚 - あらあら!!!川西くんが活躍しちゃうわ!!!まさかBチームが勝つとは!!やっぱ“すみた先生”最高っスワ (2022年1月2日 22時) (レス) @page48 id: a61a8e014c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:すみた先生 | 作成日時:2021年8月9日 12時

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