命令9 ページ48
宮治「……どないする」
侑は一つ間を置いて息を吸った。
宮侑「北さんは今すぐ外に隠れて下さい。俺らは他の奴ら探しに行きます」
北「……これは、他の鬼に任せるのはあかんやつか?」
侑は汗を額に滲ませて眉を寄せる。
そう、そこが分からないのだ。"鬼全員が最低1人は見つけなければならない"や、鬼ごっこの時のような人数などの指定も無い。ただ隠れんぼをしろという命令だけ。
宮治「あかんやつでしょ」
治が当然のように声を上げた。
宮治「隠れんぼでは、鬼は逃げる奴を見つけるのが役目。それをしないってのは……命令に従ってへん、って事やないんですか?」
北「……せやな。分かった」
北の言葉に、2人はホッと肩の力を抜く。
宮侑「絶対見つからん場所に隠れて下さいよ」
北「分かっとる。ほんなら、俺は先行かせてもらうわ」
北は気持ち早めの足で廊下を歩いた。
宮治「ツム、他の2年はどないする」
宮侑「どうせ場所も聞き出せんし、端から協力する気もあらへん。俺らだけで探す」
宮治「それと同時に、王様の携帯探さへんか?」
治は角名の携帯を見せた。
宮治「多分王様は携帯何個か持ってんねやろ。角名と話してたのも別の機種で。これで電話かけ続けとったら、音で分かるんやない?」
宮侑「……分かった。せやけど、あくまで人を見つけんのが先やからな」
すると、突然ドアが開いた。
宮侑「!…………梟谷の」
赤葦「俺と協力しない?」
立っていたのは赤葦で、彼は涼し気な目元を細めて侑を見た。
宮侑「……ふんっ、誰がすんねん。他当たれや」
赤葦「俺なら、人が隠れそうな所が分かる」
宮侑「せやったら1人でやれや。なんで俺らんとこに来た」
赤葦「分かってないだろ。この命令は鬼が1人じゃ出来ないって」
警戒心より疑問が勝った侑は、首を傾げる。
赤葦「鬼は、逃走者と目を合わせなきゃ捕まえた事にはならない。せっかく見つけても目を逸らされたら意味が無い。つまり複数で1人を捕まえた方が効率が良い。
だから俺は2人と協力しに来た」
宮治「……なら俺はやるで」
宮侑「!サムっ」
宮治「こいつの話は筋が通っとる。俺ら2人でやったって場所が分からんかったら無駄骨やろ」
侑が暫く唸った後、赤葦は口元を僅かに歪めた。
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しょー@めいそら坂セン推し - すみた先生さん» 頑張って!!続編も読んでくる! (2021年8月12日 17時) (レス) id: b8eda32ef2 (このIDを非表示/違反報告)
すみた先生(プロフ) - 知らない人かと思ったら葡萄でしたか!コメント、全くそんな事ありませんからぁぁ!!泣きながら喜んでますからぁ!?次編でもよろしくお願いしますよ!! (2021年8月9日 11時) (レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
雪音くん。 - はい今回も面白かったでぇぇぇす!毎回コメントうざかったらごめんなさーい!またまた考察が楽しくなりそうです!あ、元葡萄です! (2021年8月8日 20時) (レス) id: 99adb678db (このIDを非表示/違反報告)
すみた先生(プロフ) - 葡萄さん» お、お手本……!?いえいえそんな!どこまでも趣味全開の話に着いてきて下さる読者の方が凄いんですわ! (2021年8月1日 15時) (レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
すみた先生(プロフ) - しょー@misrsnsk推しさん» ここてやっと王様の姿が見えてきました…!やっと、やっとです!ここから派手に展開させていきたいと思います!応援ありがとうございます。頑張りまっす!! (2021年8月1日 15時) (レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すみた先生 | 作成日時:2021年1月2日 14時