命令8 ページ44
月島「ここであなたが"ここにある物はやらない"って言えば、僕は何も出来ないんですよ？力で僕が勝てる訳無いので。……ほんと……」
木兎「……俺は、……」
言葉が続かない。
月島「……疑ってるんですか？僕を、僕達を」
木兎はゆっくり、頷いた。
木兎「でも、お前らだけじゃない……」
苦し紛れに零した言葉は情けなく、木兎は月島の顔を見れずにいた。
月島「木兎さん、自分が間違ってるって思ってませんか？」
木兎「……」
月島は手の中の缶を転がして木兎に言う。
月島「あなたが僕達を疑ってるように、僕だって皆を疑ってますよ。それこそ、自分以外の全員を。
慰めではないので勘違いはしないで下さい。ただ、木兎さんが今人を信じられないのは当たり前の事で、それに一々罪悪感を抱くのは時間の無駄だと、僕は思いますけど」
木兎「……ツッキーは頭良いよな。
そっか……俺、人殺したりしたけど……今だって色んな奴疑ってるけど……全部、全部…
生きる為だよな。俺と、赤葦と、木葉が」
晴れた顔を上げて月島を曇りない目で見つめた。
月島「……そうですよ」
洗脳にも等しい、何とも恐ろしい事だ。
そう、月島は思った。
それでも、木兎に歩み寄って缶を差し出す月島は、この哀れな人間の救いになるのなら自分も間違ってはいないのだと、己に暗示をかける。
月島「僕がこれを分けて欲しいって言ったら……分けてくれますか」
月島は慈悲の滲む目で問いかけた。
それに対して
木兎「絶対やだ！」
幼い笑みで、木兎は言うのだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 151人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しょー@めいそら坂セン推し - すみた先生さん» 頑張って！！続編も読んでくる！ (2021年8月12日 17時) (
レス) id: b8eda32ef2 (このIDを非表示/違反報告)
すみた先生(プロフ) - 知らない人かと思ったら葡萄でしたか！コメント、全くそんな事ありませんからぁぁ！！泣きながら喜んでますからぁ！？次編でもよろしくお願いしますよ！！ (2021年8月9日 11時) (レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
雪音くん。 - はい今回も面白かったでぇぇぇす！毎回コメントうざかったらごめんなさーい！またまた考察が楽しくなりそうです！あ、元葡萄です！ (2021年8月8日 20時) (レス) id: 99adb678db (このIDを非表示/違反報告)
すみた先生(プロフ) - 葡萄さん» お、お手本……！？いえいえそんな！どこまでも趣味全開の話に着いてきて下さる読者の方が凄いんですわ！ (2021年8月1日 15時) (レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
すみた先生(プロフ) - しょー@misrsnsk推しさん» ここてやっと王様の姿が見えてきました…！やっと、やっとです！ここから派手に展開させていきたいと思います！応援ありがとうございます。頑張りまっす！！ (2021年8月1日 15時) (レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：すみた先生 | 作成日時：2021年1月2日 14時
