命令8 ページ43
木兎「っ！？」
肩に置かれた手に、初めて木兎は声を出さずに驚いた。否、声を出さなかったのではなく、出せなかったのだ。
「そんなに驚かなくても……」
眉を顰めた男は、木兎の肩に置いた手を引っ込めて立っていた。
木兎「ぁ………
ツッキー……？」
月島「……その呼び方やめてくれませんか」
木兎「はぁぁ……ツッキーかよ……良かった……」
月島「何でですか。僕があなたを殺さない保証は無いんですよ」
木兎「じゃあ俺を殺しに来た？」
月島「……いえ」
月島は決まり悪そうな顔で目を伏せる。木兎は心底安心したような顔で用具庫に入って行く。
木兎「ツッキーはさ、なんでここに来たの？」
月島「それは僕のセリフです。僕は木兎さんがここに入ってくのを見て……」
木兎「ふーん……」
聞いているのか聞いていないのか定かではない声を出して奥の棚に手を伸ばす。しかし、物が多く身動きが取りづらい上に、スマホが無いために真っ暗である。手探りで非常食とやらを見つけるしか無かった。
月島「……」
木兎「！」
突然、視界の隅に光が入る。そしてその光は動きながら近付いてくる。振り返ると、スマホをかざした月島が真顔で立っていた。
月島「探し物ですか」
木兎「……うん」
食料のことは言っても良いものか。赤葦には判断を委ねられた。しかし、先日の木葉の言葉が引っかかる。
"もし、あいつらの中に王様が居たら……？"
木兎「……赤葦がさ、体育館に非常食があるから取ってきて欲しいって。
それで……
ツッキーは王様？」
月島「……はぁ」
月島は溜息を吐いて木兎の側まで来る。そして木兎の腕の先を照らして、目線はその方向に口を開いた。
月島「普通、王様かって聞いて"はいそうですよ"って言う人は居ないんですよ。まぁ僕は本当に違いますけど。もし僕が王様だったら、この場で木兎さんを殴って食料だけ持って逃げますよ」
木兎「なるほどなぁ……じゃあお前は王様じゃねぇのか」
月島「証拠は出せませんが。
……これじゃないですか？」
月島が手に取った缶には、有名食品メーカーのロゴが描かれていた。
月島「……」
木兎「……ツッキー、それ……
欲しい？」
月島はまた1つ溜息をついた。
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しょー@めいそら坂セン推し - すみた先生さん» 頑張って！！続編も読んでくる！ (2021年8月12日 17時) (
レス) id: b8eda32ef2 (このIDを非表示/違反報告)
すみた先生(プロフ) - 知らない人かと思ったら葡萄でしたか！コメント、全くそんな事ありませんからぁぁ！！泣きながら喜んでますからぁ！？次編でもよろしくお願いしますよ！！ (2021年8月9日 11時) (レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
雪音くん。 - はい今回も面白かったでぇぇぇす！毎回コメントうざかったらごめんなさーい！またまた考察が楽しくなりそうです！あ、元葡萄です！ (2021年8月8日 20時) (レス) id: 99adb678db (このIDを非表示/違反報告)
すみた先生(プロフ) - 葡萄さん» お、お手本……！？いえいえそんな！どこまでも趣味全開の話に着いてきて下さる読者の方が凄いんですわ！ (2021年8月1日 15時) (レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
すみた先生(プロフ) - しょー@misrsnsk推しさん» ここてやっと王様の姿が見えてきました…！やっと、やっとです！ここから派手に展開させていきたいと思います！応援ありがとうございます。頑張りまっす！！ (2021年8月1日 15時) (レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すみた先生 | 作成日時：2021年1月2日 14時
