treasureは、すぐそばに。 (ページ7)

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『散歩？お腹空いたん？』

『大正解！コンビニ行こう？』

『いいけど、そんな格好で行くん？
ちょい待ってて。』

そう言ってコーラを冷蔵庫に戻し自分の部屋に一旦戻ったハルトは、パーカーを持って部屋から出てきた。

『ん』

無言でそのパーカーを私の肩にかけるハルト。

ハルトって4つも下で不器用なところもあるけれど、こうやって、さりげない優しさを私にいつもくれる。

『ありがと、ハルト』

と言うと、少し恥ずかしいのか『ちゃんと上まで閉めてな』とこちらも向かずに言いながら、玄関に向かう。

優しいところもあるけれど、それに改めて感謝をすると照れてしまうところを見ると、まだまだ高校生の年齢なんだな、と思う。

ハルトを追いかけて外に出ると、思った以上に寒かった。

そりゃそうだ、もう11月。

日本ではそうでもないのかもしれないけど、韓国はもうこの時期から寒い。ましてや深夜0時過ぎ。

寒すぎて自分の手に息をかけ、せめてもの寒さしのぎをしていると、横から大きな手が私の手を包み、上着のポケットの中に入った。

自分の上着ではなく、隣の人、ハルトの上着だ。

ハルトが自分からスキンシップを取るのは珍しいのでびっくりして、

『え、ベタすぎない？(笑)』

と何とも可愛くない反応をすると、

『何が。』

と、またこちらも向かずに前を向いたまま呟くハルト

そんなハルトがなんだか可愛くて、でも、また優しさをくれたことが嬉しくて、

『何でもない(笑)』

そう言って、ハルトの手を強く握り返した。