treasureは、すぐそばに。 (ページ41)

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俺の話を、俺の肩で静かに涙を流しながら聞くA。

よっぽど不安だったんだろう。

初めてのツアー

俺たちももちろん不安なことはあるが、1人性別が違うAはもっと不安だったはずだ。

まして自分の実力の割に、自信のないAが思い詰めるのも無理はない

これから日本ツアーまで、そしてツアーを無事完走できるまで、メンバーみんなでAを支えてやらないと。

そう決意した瞬間だった。

しばらくそのまま肩を貸していると、Aがゆっくりと顔を上げ、こちらを向く

A「………ジフナ、ありがとう。なんか、ジフナや他のメンバーがいると思ったら、頑張れる……かも」

ジフン「かもってなんだよ(笑) 俺たちはいつでもそばにいるから、大丈夫。みんなで走り切ろう、な？」

A「……うん」

そう言って涙を拭ったAの顔は、さっきよりも晴れやかになっていた気がした。

「ほら、もう寝よう。明日も早いよ？」

Aの部屋までついて行き、早く寝るよう促す。

「じゃあ、おやすみ。また明日から頑張ろう」

そう言ってドアを閉めようとすると、それを止めるA。

ジフナ「A？」

A「………ジフナ、ありがとう。ジフナがいると、何があっても大丈夫だって思える………かも」

急に何を言い出すかと思ったら、そんなことを言い出すA

Aは元々自分の気持ちをメンバーに伝えることが苦手なタイプだから、こんな風に素直に伝えてくれることは珍しい。

ジフン「だから、かもってなんだよ(笑) かわいいな〜〜ウリAヤ？」

そう言いながらいつものように頭を撫でてやると、いつものように避けられる

珍しく素直に気持ちを伝えてくれたかと思ったら、頭を撫でられるのはやっぱり嫌らしい(笑)

「俺はいつでもAの味方だから。」

Aの目を見てそう言うと、素直に頷くA。

A「ありがとう、………おやすみ」

ジフン「ん、おやすみ」

ぽつりぽつりと素直に自分の気持ちを言うAが可愛すぎて、部屋のドアを閉めるのも名残惜しかったが、これ以上しつこくするとまた嫌われると思い、最後にもう一度だけ頭を撫でて、ドアを閉めた。

あまり自分の弱さを周りに見せないA。

同い年だからこそ、俺が、Aにとってたまに自分の気持ちを吐き出せる場所でありたいと、そう願いながら自分のベッドに入った。