検索窓
今日:12 hit、昨日:48 hit、合計:341,333 hit

. ページ40

ジフン「……なんかあった?」




Aは元々お酒が得意じゃないし、何かあったら危ないからと、俺たちから1人で酒を飲むことを禁止されているAが1人で飲むなんてあり得ない。


1本丸々開けているということは、お酒に頼りたくなるような何かがあったのだろう。




そう思って聞いてみると、さっきまでの陽気な声に変わって、鼻を啜る音が聞こえてきた。



ジフン「どうした?」



強がりなAは、泣いてる姿を見られたくないことを知っていたので、顔はそのままテレビの方を向きながら、俺の肩に顔を押し付けて泣くAの頭をゆっくり撫でてやった。



「……なんか、急に、不安になっちゃって」

「うん」

「……もうすぐ日本ツアー始まるけど、体力的について行けるかなとか、ツアーの公演と、あの……女の子の日が被っちゃったらどうしよう、とか、日本のファンの人は、私のこと認めてくれるのかな、とか……」

「うん」

「そんなこと考えてたら、なんか眠れなくなっちゃって……」




ポツリポツリと、ゆっくり答えてくれるA。



そういえば、今日の練習は、Aは先生から注意を受けることが多かった。



先生もAに期待をしているからだし、たまたま、今日は注意されるポイントが多かっただけだろうけど、Aは自分の練習生歴の短さからダンススキルに自信がある方ではないので、落ち込んでいないといいな、と考えていたんだった。



Aはストイックに自分の理想像を高く設定している割に、元々メンタルが強い方ではないから、そういう些細なことで必要以上に考え込んでしまうことがある。



あの時声をかけて、そのまま打ち合わせに同席させればよかった。


宿舎に1人にさせたことを、後悔しながらそう思った。




ジフン「大丈夫だよ、Aは、上手くやれてるよ。」

A「……」



よっぽど自信がないのか、首を振るA。


「日本ツアーだって、それまでに体力をつければいいし、練習の日にしっかり集中してやれば、休みの日はホテルでしっかり休めばいい。体調のことだって、他のメンバーやスタッフに言いにくければ、俺にだけでも伝えてくれれば気にかけてあげれるから。


それに何より、日本のファンの皆は、Aが日本のステージに立つことを楽しみにしてると思うよ。他の日本人メンバーもそうだけど、メンバーが地元でステージに立っている姿を見ることを、ファンはどれだけ楽しみにしていることか。」

.→←見えない弱さ



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (221 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1059人がお気に入り
設定タグ:treasure , yg , 紅一点
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:くろ | 作成日時:2022年11月7日 4時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。