素直への1歩 ページ12
ジョンウside
今日は、カムバ活動が終わったのも束の間、ファッションブランドのコンセプトブック撮影だ。
今は、現場への移動中。
ハルト「ねみー」
アサヒ「結局何時まで起きてたん？」
ハルト「2時くらいかな。A、結局泊まって行ったんよ」
ジェヒョク「ヤ〜ルト、またAがいたのに起こしてくれなかったの？いつも独り占めして」
ハルト「声かけたけどヒョン全然起きなかったじゃないですか(笑)」
また、ヌナ泊まってたんだな。
ヌナは、サヒヒョンと仲が良いこともありよく俺達の宿舎に遊びにくる。
ただ、サヒヒョンかハルトの部屋に泊まることが多く、俺の部屋でヌナが寝たことはほとんどない。
何でもヌナは、「ジョンウは1人で床で寝るって聞かないから、一緒に寝れない！」と言って、俺の部屋で寝ることはしないそう。
それもそのはず、自分で言うのもなんだが思春期真っ只中の俺がヌナと一緒のベッドで寝て、まともに眠れるはずがない。
そんな理由で、俺はヌナが部屋に来た時は、床で寝るようにしている。
そんな俺を気遣ってあまり俺の部屋では寝ないようにしているらしいが、そうは言っても、サヒヒョンやハルトが羨ましい。
一緒のベッドで寝て、2人はまともに眠れているのだろうか。
眠れているのだとしたら、俺には2人が無感情人間かロボットに見える。
そもそも俺がヌナのことを意識しすぎているのもあるけど……
練習生の頃は、もっと気軽にヌナと話せていたんだけどな。
思春期というのは怖いもので、ある日からヌナと話したり、一緒にふざけたりすることがなんだか気恥ずかしくなってしまった。
なんて、ボーッと窓の外を見ながら考え事をしていると、ハルトが突然声を掛けてきた。
ハルト「何、お前もヌナと夜更かししたかった？」
ジョンウ「いや、昨日は疲れて眠かったし、」
アサヒ「ジョンウ、お前可愛いな〜」
ジョンウ「何がですか…」
ヌナと一緒に自分も夜更かししたかった、なんて他のメンバーにすら素直に言えず強がって返す俺を見て、サヒヒョンは面白がっていた。
まあ、自分でもこの思春期特有の気恥ずかしさは、どうにかならないものかと思う。
けれど、俺を気恥ずかしくさせているのは、思春期だけじゃなくて、元からずっと可愛いヌナが、もっと美人になっていっていることも、あると思う。
そうやって考え事をしていくうちに眠くなって、目を開けたらいつの間にか現場に到着していた。
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作者名：くろ | 作成日時：2022年11月7日 4時
