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誰もいない、ステージの上



「ここ、座って?」


「えっ?」


「いいから、早くっ」

戸惑う彼を、ピアノの前に座らせた



「左手だけなら、弾けるでしょ?」


「おん……けど」


「大丈夫。ちゃんと弾いてよ?せーのっ」

最初は不安そうな音だったけど、だんだんと表情を変えていって



「わぁ、弾けたぁ。これ、深谷さんがアレンジしたん?」


「うん。一晩しかなかったから、上手く編曲出来なかったんだけど」


「ん〜ん。最高やった。ありがとう」


「うん……ねぇ。本当にピアノ、辞めちゃうの?」


「レッスンは…うん。でも、ピアノ弾く事は、続けようって思ってる」


「そっか。良かった……。あの、さ?」


「ん?」


「これ……」


「なに?」


「チョコレー…ト?」


「俺に?」


「うん。なんか、色々助けてもらって……ありがとう」


「いいえ。ふふっ、嬉しいなぁ。今年初のチョコやわ」


「うそっ。モテモテのくせに」


「ホンマやもん。今年は全部断ってんもん」


「……断った?」


「そっ。本命も義理も全部断って、深谷さんのチョコ、一本にしぼってた」


「何、それっ」


「言うたやろ?去年。“来年の2月14日楽しみやなぁ”って」


「そっ……それはっ」

そんな事、あるわけがない


「あくまでも、昨日助けてもらったお礼と、怪我させちゃったお詫びであって…」


そのチョコレートには、深い意味はない



だって、私は




絶対に 彼なんて…







end

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作者名:ちか | 作成日時:2020年2月14日 13時

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