絶対に彼なんて…【青】 (ページ16)

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滞りなく終了した、卒業式

クラスで写真撮ったり、部活の仲間や後輩との別れを惜しんだり。その流れでなだれ込んだカラオケ

みんなテンション上がってて、収集つかへん。いつもなら、その輪に自ら飛び込んでいくものの、今日は1番端の席で、ただただ見守る

彼女、大丈夫なん？
こんなテンション、ついていかれへんやろ？

何とか隙見て、部屋をこっそり抜け出した

チラッと覗いた隣の部屋も、案の定同じような状態で
目を凝らして見ても、彼女の姿は確認出来ず

とりあえず、飲み物でもとドリンクバーに行こうとしたら

「「あっ……」」

「丸山くん…よな？」

「えっ…と、安田くん？」

「あぁ…うん。あの、深谷さん、どうしてる？」

「Aちゃんなら、帰ったで？」

「はぁっ⁉いつっ？」

「う～ん、ちょっと前。だいぶ頑張ってたけど“やっぱ無理”言うて」

「そぉ、なんや……。あの、さ。丸山くんに、ひとつ聞きたい事、あんねんけど」

「なに？」

「丸山くんって、深谷さんのこと……」

「好きやよ？」

「…………っ」

うちの学校の奴ら、ほんまアホやねん。Aちゃんの事、“お高くとまってる”だの“お嬢さま”だの。その辺の女子より謙虚やし、優しいし、全然“お嬢さま”やないのに。安田くんも、そう思うやろ？」

「あぁ…うん」

「あっ、でも、安心してな？僕、Aちゃんのこと大好きやけど、そぉいうのんとちゃうし」

「はぁ…………」

「とにかく。僕が言いたいのは、大学行ったらAちゃんは絶対モテる。それまでに何とかせぇへんかったら、安田くん、いよいよヤバいで？」

「そっ、それはっ。今月中に何とかするから」

「あら、そぉ？それは良かった♪じゃあ、Aちゃんの事、よろしくお願いしますっ」

鼻歌唄いながら、上機嫌で部屋に戻って行った、丸山くん

………何やったん、アレ

丸山くん、はっきり言うてたよな？
深谷さんのこと、好きやって

でも、“そぉいうのんとちゃうし”って

そぉいうのんって、どぉいうのやねん

けど、最後は“Aちゃんのこと、よろしくお願いします”言うてたし

何なん、もぉ。よぉわからへんっ！