【五条悟】見 ら れ た 。

２４ ページ24

気づく話


「──アイツのどこが好きなの？」
「え"！？」

　違うよ私らただMステ3時間スペシャルの録画を観てるだけでガチの女子高生らしい会話をしにきたわけでは断じてないよ！？ ボイスレコーダーとか持ってんじゃねーか……？(不審)


「普通に気になっただけ。録音とかしてないし」
「えーーーーー……？」
「本当だってば」
「スタバの新作」
「賭けてもいい」

　じゃあいいか……いやなんもよくない！！ 気になったとしてもミスチルが歌ってる途中でそんなこと聞いてこないで！？ 「ねーねー早く教えてよ〜」一旦待て待てほんと待て？


「やっぱ顔？」
「えっウケる、顔だけなら松潤のほうがタイプだよ」
「……松潤殺されるんじゃない？」
「！！？」

　クソ野郎じゃんなにそれ……全国のアラシックから集団リンチ確定では？ 私絶対助けてやらない(嗤)


　とか思いながらも ふわふわと頭上に浮かぶのはアレ。

　毎晩ド必死に手入れしてる女子たちより綺麗な肌だし、なんかおとぎ話に出てきそうな空色の瞳とか、一見細身なのに実は結構男子らしい身体とか、っえええええちょっと待ってくださいなんで私あんなにアイツのこと知り尽くしてるみたいになってるんですか！？ とりあえず淹れたココア飲み干s、空じゃん……(絶望)


「あーん悔しいよー硝子ぉ」
「うわキモ、顔赤いよ」
「言うな！！」
「で、結局は？」
「硝子は私のこと振り回すの大好きなの？ 」

　だって別にここのそこが良いとかどれのあれが素敵とかあんまり考えたことないしあらら？ あんまりどころか考えたことなくない？ ん〜〜〜？？

　ポッキーを咥えながら(喫煙者ってなんか口に入れとかないと落ち着かねーの？)テレビを見ている硝子の横顔を見ながらちょっと真剣に考えてみた。



　隣に並んだときの身長差？ いやいや、首痛いし。でもたまーーーーーに屈んで話聞いてくれるのちょっと好き。

　揖保乃糸って言ったらしばかれたけど、サラサラしてるのかと思ったらほんのちょっと硬くて、けど手で梳いたら全然引っかかったりしなかったあのしなやかな髪の毛？ いやいや、私より綺麗な髪なんて腹立つ。でも眠くなるくらい落ち着く匂いがするからちょっと好き。

　壊されたDS買いに行ったとき、「人多くね？」って言って勝手に繋いできた手？ いやいや、私恥ずかしくて五分くらいで振りほどいたし。でも不安も寂しさも全部包み消してくれるあの大きさと優しさはちょっと好き。

　
　…………あ、


.

２５→←２３*

→ 目次へ｜作品を作る
他の作品を探す