・・・ ページ12
「今日は、なんで来たん？」
「小学校が、廃校になったって聞いたから…」
「それ、おじさんから？」
「うん。父から聞いたけど……」
「それな？実は、俺発信やねん」
「どういう事？」
「日向さんのお父さんのおった会社に、“坂本さん”っておったやろ？」
「うん」
「その坂本さんに、小学校が廃校になった話を、日向さんのお父さんに伝えてほしいって頼んだ」
「………うん」
「そしたらきっと、日向さんにも伝わるやろな…って。それ知ったら、日向さん、必ずこの街に来てくれるって、確信はあったから」
「でも、今日とは……」
「それは……奇跡やな」
ずっと繋がってた手に、グッと力がこもって
「Aちゃん。あの日の事、覚えてる？」
「…………うん」
「俺、あの日からずっと、Aちゃんのことが、好きやった………って言ったら、引く？」
「ううんっ、全然っ！」
「ふふっ。それはAちゃんも、ずっと俺とおんなじ気持ちやったと思っても、ええのかな？」
「…………うん」
あの時は“私も…”としか、答えられなかった。
「私も…」
でも今日は、ちゃんと言葉で伝えよう
「………ずっと、好きでした」
私達の道は、まだまだ始まったばかり
きっと未来は、明るいはず
end
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作者名：ちか
| 作成日時：2020年1月4日 23時
