第57話 シンラside ページ9
ヴァルカンを仲間に迎えた夜のこと。夕食を終えて就寝の時間が迫ってきた頃だった。
茉「シンラ、アーサー!招集よ」
茉希さんの声で布団から起き上がった。
今時間の招集なんて、そんなに差し迫ることなのか。
行くと普段は食卓として賑わう食堂が、今や会議室のような重苦しい空気で充満していた。
桜「よし、全員集まったな。ヴァルカンも一応聞いてくれ」
オウビ大隊長の一声で皆一気に集中モードに入る。
桜「今回集まってもらったのはAの件だ。Aの出生、一族、その他諸々についておおかた判明したそうなのでその報告書を配る」
手渡されたのは5枚の資料。文字がひしめいている。
アーサーは白目になっている。
ヴ「朱雀野A!そうか、こいつは第8所属だったな!」
火「Aを知っているのか」
ヴ「ああ。ジョヴァンニの野郎がこいつの名前を事ある毎に口にしてた…狙ってるみたいだったな」
桜「Aを狙う理由…この資料の中にヒントがあるだろう。何にせよ、大切な仲間のことだ。皆にもしっかり目を通して欲しい。話し合いたいのは5枚目の資料の1番最後」
指定された場所を見る。
森「問題点…」
桜「Aについて追うことで見えた課題をAが纏めてくれている。まず1つ!」
茉「ジョーカーの正体…聖陽教暗部の可能性」
桜「2つ!」
森「Aさんが、灰島及び白装束の一味に血液を狙われていること」
桜「3つ!」
アイ「Aさんが、自力鬼と化せる可能性があること」
桜「…ということだ。1つ目と2つ目は俺らの仕事だ。ジョーカーを知るときここから洗う。そしてAを灰島と白装束から守ることだ。」
ヴ「血液…こいつの血液には発火作用があるのか!だから実験体にするために…やつは!どこまで下衆なんだ」
ヴァルカンの手が怒りで震えている。目線を資料に戻すと、手に力が入りすぎたようで、資料は皺がたくさん寄っていた。
俺も、かなりイラついているみたいだ…。
ふと、リヒトが目に入る。
たしかあいつ、灰島から来たんだよな。
……この資料、見せていいのか?あいつも実はAさんを狙う下衆野郎の息がかかってるんじゃないか?
桜「……というように、俺たちはこの問題点に対策していく。とにかく近いうちに全文に目を通しながら、新たな課題が無いか確認してみてくれ。以上解散!」
俺は、リヒトが自室へ戻るのを確認してからオウビ大隊長の元へ駆け寄った。
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まっちゃ@色松推し(プロフ) - とてもこの作品大好きです!これからも頑張ってください!!応援してますね! (2020年10月27日 20時) (レス) id: a8031c7e26 (このIDを非表示/違反報告)
愛華 - 続き楽しみに待ってます! (2020年8月9日 22時) (レス) id: 499c5e2247 (このIDを非表示/違反報告)
月坂美青(プロフ) - 瑠月さん ジョーカー好きなかなか身近にいないので、嬉しいです!ありがとうございます (2020年5月10日 22時) (レス) id: 8bdfbe2e5c (このIDを非表示/違反報告)
月坂美青(プロフ) - ソロ3さん ありがとうございます!頑張ります (2020年5月10日 22時) (レス) id: 8bdfbe2e5c (このIDを非表示/違反報告)
瑠月 - ジョーカー好きなので、沢山絡みがあって嬉しいです!これからも楽しみにしています! (2020年4月26日 2時) (レス) id: 0125c01ae4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月坂美青 | 作成日時:2020年3月22日 2時