第52話 ページ4
ジ「んで、何が知りたい」
ジョーカーはどこからか紐を取りだし、1人あやとりをしている。
『…朱雀野の名字はどこからきているのか。鳳凰条家と私の関係。皇王様がどうして私を必死に守るのか』
ジョーカーは紐で蝶をつくる。
ジ「多いな。ま、そんなもんか。…前提として、俺は俺の知っていることしか教えられない。当然のことだ」
部屋には妙な緊張感が漂う。
ジ「まず、1つ目。朱雀野の名字の由来。朱雀野っつーのは、お前の母親の姓だ。」
『お母さん…』
ジ「2つ目。鳳凰条はお前の父親の姓。だからお前が本来名乗るべきは鳳凰条だ」
『なっ…なんでじゃあ私は…！』
私が前のめりになると、ジョーカーが沈黙で私を諌める。
ジ「…お前が朱雀野を名乗る理由。それは鳳凰条内で当時派閥争いがあったからだ。鳳凰条の血を絶やす派と絶やさない派でな」
『絶やす…？』
ジ「ご存知の通り、鳳凰条にはその血液に力がある…発火作用だ。それを巡って、灰島と皇国が争ってたんだよ」
『灰島と、皇国…』
ジ「そうだ。鳳凰条からしてみれば、どちらにせよ''使われる''。これって居心地いいもんじゃねえよ。でも、そこからぶり返す権力も気力もなかった…鳳凰条はもう力のない名ばかりの貴族だったからな」
ジ「そんななか、鳳凰条当主であるお前の祖父は没落派、次期当主であるお前の父親は存続派を選んだ」
ジョーカーは紐で東京タワーをつくる。
ジ「存続派は少数派だった。すぐに弾圧されたが、お前の父親だけは生き延び、お前の母親と出会い、A…お前が生まれた。姓はお前が無事でいられるようあえて母親の姓を使っている」
『質問。お父さん以外の存続派は捕らえられて、そのあと、彼らと没落派はどうなったの』
ジ「…死んだよ。心中。自分らの血をガソリン代わりにして焼死した。現場に血液ひとつ無い。お前らの血は、すぐに蒸発するってのもあってな」
『そんな…』
私が知らない、お父さんとお母さん。
きっと、苦労したのだろう。
胸が少し痛くなった。
ジ「3つ目…」
待て、何か引っ掛かる。
『待てジョーカー』
ジョーカーは手を止め、私をじっと見た。
ジ「なんだよ」
『なんでお前が心中の現場について詳細に知っている？お前はなんだ？』
ジョーカーは押し黙った。
洒落た黒帽子が彼の顔に影を落とし、その表情は伺えない。
ジ「…その話は後回しだ。おいA、外行くぞ」
『は？』
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まっちゃ@色松推し(プロフ) - とてもこの作品大好きです！これからも頑張ってください!!応援してますね！ (2020年10月27日 20時) (
レス) id: a8031c7e26 (このIDを非表示/違反報告)
愛華 - 続き楽しみに待ってます！ (2020年8月9日 22時) (レス) id: 499c5e2247 (このIDを非表示/違反報告)
月坂美青(プロフ) - 瑠月さん ジョーカー好きなかなか身近にいないので、嬉しいです！ありがとうございます (2020年5月10日 22時) (レス) id: 8bdfbe2e5c (このIDを非表示/違反報告)
月坂美青(プロフ) - ソロ3さん ありがとうございます！頑張ります (2020年5月10日 22時) (レス) id: 8bdfbe2e5c (このIDを非表示/違反報告)
瑠月 - ジョーカー好きなので、沢山絡みがあって嬉しいです！これからも楽しみにしています！ (2020年4月26日 2時) (レス) id: 0125c01ae4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月坂美青 | 作成日時：2020年3月22日 2時
