【男主】感触【胡蝶しのぶ】

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「よぉ、随分な人気じゃねぇかAチャン」

「宇髄……！」



胡蝶がわかりやすいぐらいに落ち込んでいたものだから、仕方ねぇ、連れ帰ってやろう、なんて思って来てみれば。

こっちはこっちで、俺が来るといやに嬉しそうな顔をしやがる。

いつもは冷てぇ態度しか取らない癖に……よっぽど、女に囲まれていたのが嫌だったのだろう。

コイツ……胡蝶意外の女には本当に興味ねぇのな。

せっかく派手な顔、してやがんのに。



「すいませんね、お嬢さん達。この兄ちゃん、ちょっと借りてくわ」

「あ、え……おい、宇髄！？」



首根っこ引っ付かんで連れ出して、人だかりから救出する。

Aはハァ……と派手に溜め息をついて、「助かった……」と、胸を撫で下ろした。



「慣れない所に、むやみに入るもんじゃねぇな……」



「一応……ありがとう」なんて、不服そうに礼を言うAの手には、紙袋の中にちらりと覗く、蝶の髪飾り。

……成る程、そういうことか。



「礼ならいいから、早く胡蝶んとこ行ってやれ。派手に落ち込んでたからよぉ」

「なに……？」



そう、Aに促した先には。



「Aさん……」



胡蝶らしくもない、不安そうな顔つきでAの様子を伺っていた。

俺はそれを確認した後、嫁を連れて、先程の店に向かう。

……Aが胡蝶に走り寄ってたから、もう大丈夫だろ。





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