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「もう、行くんですか」

「あぁ。早めに言って、現地を少し調べておこうと思ってな」



Aさんの羽織は真っ白だ。

戦わなくとも、歩くことで地の砂が飛び、汚れの一つや二つは付きそうなものだが、俺がAさんと出会ったときから、真っ白な羽織は変わらず汚れ知らずだ。

暫く、会えなくなるのか____

母親との別れを惜しむガキのような心境になってしまう。

せめて、暫く会えないだけの何かが欲しい。形見だとか、繋がりだとか。

Aさんは、そんな俺の微妙な表情を見て何やら思ったのか、細い腕を伸ばすと、俺の頭をくしゃりと撫でた。



「直ぐ、戻ってくるよ」

「…………!……はい」



「それまでに、傷、これ以上増やさないようにしておけ。な?」と、俺の肌を指差す。



「稀血に頼り過ぎて、無理するなよ。実弥はそんなものなくたって、強いんだから」

「っす……」



Aさんはそう言って、真っ白な羽織を翻すと、俺から段々と遠ざかっていく_____





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mikitty(プロフ) - 好きです!!!! (2022年12月25日 13時) (レス) id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
勿忘草(プロフ) - やっぱり何回見ても最高だなぁ、ぐへへ(( (2020年12月19日 14時) (レス) id: 4fc468f2f2 (このIDを非表示/違反報告)
柴犬(プロフ) - 素敵な作品ですね...、愛情表現や色気のあるシーンがすごく好きで一気読みしてしまいました。他の作品も読ませて頂きたいのですがパスワードというのはどちらで伺えばいいのでしょうか...? (2020年5月30日 9時) (レス) id: 87b58a18e6 (このIDを非表示/違反報告)
ohagi - めっちゃ最高でした。自分も腐ってるのでBLの方がよけい萌えました! (2020年3月31日 14時) (レス) id: 8e8ba22e4c (このIDを非表示/違反報告)
ひつじマイケル(プロフ) - お疲れ様です!読んでいてとても面白かったです!よろしければこれの短編集を読んでみたいです! (2020年3月30日 14時) (レス) id: 37a32601d5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たつき | 作成日時:2020年2月29日 20時

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